ニュース 2023年11月7日
【日本商工会議所】10月の「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」
日本商工会議所がまとめた10月の「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」によると、全産業合計の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス10.5となり、前月比1.5ポイント悪化した。物価高などによるコスト増に対する価格転嫁が十分に行えない中、人手不足やインボイス制度などの課題への対応が重くのしかかり、業況は悪化した。
業種別にみると、小売業はマイナス16.0となり、6.8ポイント悪化した。物価高で買い控えが続く中、人手不足に伴う人件費の増加などが足を引っ張った。サービス業は0.0となり、0.2ポイントの悪化。理容・美容など生活関連サービスの需要が物価高で停滞した。インバウンド需要の回復で飲食・宿泊・観光が堅調に推移しており、横ばい圏内に留まった。
卸売業はマイナス20.6となり0.9ポイントの悪化。小売・サービス業からの引き合いの減少でほぼ横ばいとなった。製造業はマイナス9.3となり、0.8ポイント悪化した。自動車関連が好調な一方、エネルギー価格の高騰によるコスト増が全体を押し下げた。建設業は、14.3となり、2.2ポイント改善した。公共工事の受注増で改善したが、力強さを欠いている。
11~1月の全産業の先行き見通しはマイナス14.6で10月に比べて4.1ポイント悪化すると見込んでいる。インバウンドを含む観光需要の拡大が期待感される一方、長引く物価高による一層の買い控えが懸念されている。企業経営の足かせは多く、中小企業の先行きは厳しい状況が続いている。
調査は、全国329商工会議所の会員 2478社を対象に10月16~20日に実施され、有効回答数は1964社(回答率79.3%)だった。
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