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セントラルキッチンとは?導入メリット・デメリットについて解説


新型コロナウイルスの収束がなかなか見えない現在ですが、飲食店でより重要視されつつあるコスト削減です。多くの飲食店が課題を抱えている中で、調理場を1ヶ所に集約させるセントラルキッチンが注目を集めています。特に多店舗展開している飲食店では、各店舗での調理に必要な作業員を大幅に削減することも可能になります。

今回は、セントラルキッチンについて解説していきます。

セントラルキッチンとは?

セントラルキッチンとは、飲食店で提供するメニューの製造や加工を1ヶ所に集中・大量に調理をする拠点のことです。大量に調理をすることで、食材原価の低減、味の均一化、厨房現場の業務削減や効率化を実現する集中調理施設です。

調理・製造する食品は精肉やカット野菜など原料に近いものから、完成品までさまざまです。業態や施設の衛生管理基準に最も適した設備で調理を行うことで、効率化が行われています。

業態によって手法は異なりますが、一般的にセントラルキッチンを活用する事業は、セントラルキッチンと複数の店舗や施設で成り立っています。セントラルキッチンで加工・調理した食品や商品を各々の店舗や施設に配送し、提供することで、それぞれの店舗での仕込みや調理を簡略化、もしくは省略しているのです。

セントラルキッチンの仕組みについて

多店舗展開する飲食店などは、調理作業の効率化や負担を軽減するためにセントラルキッチンを導入するのが一般的です。セントラルキッチンで調理したものを冷凍や真空パックで保存し各店舗に配送することで、店舗ごとに行っていた調理や仕込みのコストを減らすことが可能となります。

セントラルキッチンでの調理に向いているものは、配送などの手間がかかるため、保存しやすく時間をおいても劣化しにくい食品を取り扱うことが原則です。パンや麺類、カレーやパスタソース、冷凍保存のしやすいデザート類などが典型になります。

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セントラルキッチンの導入メリット

セントラルキッチンの導入でどんなメリットがあるのでしょうか。以下で説明します。

コストの削減

1店舗のものだけでなく複数店舗の加工を同時に行うため、材料を一括で大量に発注することができ、大量発注によって仕入れ値を下げることにつながります。またセントラルキッチンで製造をまとめて行うことができるので、各店舗では複雑な調理の必要がなく、労働時間や人件費などを削減することができます。

商品のクオリティを均一にできる

チェーン店では同じメニューを多数の店舗で提供しています。すると、同じメニューでも店舗ごとに味が違うといった問題が発生することがあります。セントラルキッチンで調理すれば、どの店舗でも同じクオリティで同じ味の料理を提供することができるようになります。

衛生管理がしやすい

衛生管理をする場所や指導する人員が多いと、管理が非常に大変ですよね。セントラルキッチンを利用すると調理に関わる人員が1か所に集まり、各店舗に散らばる調理員と比較すると、調理に関わる人員を総合的に減らすことになるため、食品業界で最も重要な衛生管理がしやすくなります。

新たなマネタイズ

セントラルキッチンはそうざい製造業などの営業許可を取得することが前提であるため、客席とキッチンが分離されていない飲食店では難しい、小売用の商品の製造免許を既に取得できているという利点があります。小売商品を製造することで、EC販売や一般流通に卸すことができる商品を開発すれば、売上の向上を見込むこともできるでしょう。

レシピや調理法の流出の防止

基本的にレシピや調理法は企業秘密です。特に仕込みの部分は全ての料理の基になるものなので、その流出は何としても避けたいところです。店舗で全ての仕込みを行うとなるとやはりマニュアルが必要ですし、紛失や情報漏えいのリスクも店舗の数だけあります。その点、セントラルキッチンは店舗よりも数が少なく、その情報管理も徹底していることがほとんどです。一ヶ所に集中するからこそのメリットは、情報の管理においても発揮されています。

セントラルキッチンの導入デメリット

次にデメリットについて説明します。

初期費用に一定の費用がかかる

セントラルキッチンを設立するうえでは、一定以上の顧客の獲得が大前提です。大量に調理し、大量に料理を販売することがセントラルキッチンの運営を行ううえでの必須の要件であることは忘れてはなりません。一定以上の販売量が見込めない場合、調理品の在庫が余った結果、廃棄につながります。

また、セントラルキッチンに配置された人員の給与は支払い続ける必要があるため、固定費が負担になってしまうのです。また、設立には大きな初期投資が必要なことにも留意が必要です。そのため、設立を検討する際には、その初期投資に見合う事業戦略をあらかじめ立てておきましょう。

食品ロスの増加

店舗ごとで注文を受けてから作るのではなく、あらかじめ一度に大量の料理を作るので、作りすぎによる食品ロスが懸念されます。

新鮮さ、出来立て・手作り感の減少

注文を受けてから調理して提供するものと、セントラルキッチンで作って各店舗へ配送されてから提供するのでは鮮度に差が出てしまいます。またその店舗で今調理したという出来立て感や手作り感も薄れてしまいます。

例えばハンバーグを注文したとして、お店で焼いてもらったものと、あらかじめ調理したものをセントラルキッチンで冷凍し、お店で解凍して提供されるのでは、個人的に「うーん…」と思うところがあります。味に大差はなくても、やはり出来立て感や手作り感、新鮮さは重要なポイントです。

現場の商品知識が深まらない

セントラルキッチンから届く商品は店舗からすると、最終的に少し手を加えるだけの状態がほとんどです。そうなると、その商品がどのように作られているか知る機会も少なくなってしまいます。実際に仕込みを行わないとしても、商品の産地や原材料について現場での定期的な研修を行う必要もあるでしょう。商品知識が深まらないままだと、最悪の場合品質管理が疎かになってしまうケースも考えられます。

まとめ


大量調理を可能にするセントラルキッチンについて、メリットやデメリットなどをご紹介しました。セントラルキッチンの利用で、品質が安定し、調理や提供などの効率化、コストの削減が可能となります。

いずれにしても、多店舗展開する飲食店にとって調理場を1ヶ所に集約させることは非常にメリットが大きいです。飲食店の業態や規模に見合ったセントラルキッチンの導入を検討してほしいところです。

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