これから飲食店を開業する人必見!『再就職手当』を受け取れる条件について解説
退職した会社で雇用保険などの社会保険に加入していた場合、失業期間中はハローワークで手続きを行うと、失業給付を一定期間受け取ることができます。
その間、就職活動を行うことになりますが、失業給付を満額もらう途中で就職した場合「再就職手当」が支給されます。ほとんどの方は「就職」と聞くと、雇用される側になる事をイメージされますが、「起業」として法人や個人事業主として開業した場合はどうなるのでしょうか?
そこで今回は、「再就職手当」について解説していきます。
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そもそも再就職手当とは?
再就職手当は、雇用保険の失業等給付の1つである「就業促進手当」にあたります。これは失業した人がより早く職を見つけられるよう、国が支給している支援金です。
就職促進手当には、以下種類があります。
- 再就職手当
- 就職促進定着手当
- 就業手当
このうち就業手当と就職促進定着手当については開業や起業を対象外としていますが、再就職手当は開業・起業の場合も支給を受けることができるのです。
注意すべきポイントは、再就職手当が「失業者」に支払われるお金だということです。失業者として認定される前に開業届を出していた場合や、開業するために退職したという場合には支給の対象外となってしまいます。
厳密には「開業や起業の準備を考え始めた時点がいつなのか」が問われるため、失業者として認定してもらうためにハローワークに求人票を出したとき、開業・起業の意思があると判断されるともらえなくなる確率が高まります。
再就職手当を受け取る条件について
- ①就職日の前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
- ②1年を超えて勤務することが確実であると認められること
- ③待期満了後の就職であること
- ④離職理由による給付制限を受けた場合は、待期満了後1か月間については、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介により就職したものであること
- ⑤離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと(資本・資金・人事・取引等の状況からみて、離職前の事業主と密接な関係にある事業主も含みます。)
- ⑥就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
- ⑦受給資格決定(求職申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
- ⑧原則、雇用保険の被保険者資格を取得する要件を満たす条件での雇用であること
(引用):厚生労働省|Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
再就職手当は、基本的に上記の8つをすべて満たすと受け取ることができます。就職だけでなく「起業」の場合でも対象になるということです。
ただし、以下のポイントに注意してください。
待機期間 + 1ヶ月 を過ぎてから申請する
自己都合退職の場合、待機期間(7日間)+ 1ヶ月 を過ぎてから申請しましょう。(条件④)失業手当(基本手当)は 待機期間 + 3ヶ月が経たないともらえませんが、再就職手当は3ヶ月ではなく1ヶ月待てばOKです。
前職の仕事を請けてはいけない
会社を辞めたものの、今後は社員ではなく個人事業主として引き続き前職から仕事をもらうとNGです。(条件⑤)会社の制度で 社員 → 個人事業主 に形態が変わった場合でも難しいです。
直近3年のあいだに再就職手当を受け取っていない
ここ3年以内に再就職手当を受け取っていると対象外です。(条件⑥)
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、「再就職手当」について解説しました。
再就職手当は、起業・開業の場合でもお金がもらえる貴重な制度です。これから独立を考えている人は、再就職手当を有効に利用しましょう。
しかし退職前に開業届を出すなどして事業準備を始めていると受給対象から外れてしまいます。まずはハローワークに求人票を出して失業認定を受け、失業保険の受給資格を決定することが第1ステップとなります。
その後、一定期間経過してから税務署に開業届を出し、ハローワークに再就職手当支給申請書を提出しましょう。計画を立てて効率的に手続きを進めることで、より多額の再就職手当を受け取ることができるのです。