飲食店における一般的な家賃比率について解説
飲食店を経営していく上で必須となる家賃について、適正な家賃比率を知り、家賃に対する売上目標をしっかり立てる必要があります。
今回は、飲食店における一般的な家賃比率についてや基礎知識などを解説していきます。
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飲食店家賃の基礎知識
飲食店の家賃は、経費では「地代家賃」として計上されます。翌月の家賃を、前の月に振り込みなどで支払うのが一般的です。物件の契約時には、2~3か月分の家賃のほか、保証金や礼金が必要となります。
家賃は契約した時点から発生するため、開店までに内装工事を行ったり、メニューの試作を行ったりしている期間も支払わなければなりません。開業資金を抑えるためには、開店までの準備期間を短くすることも一つのポイント。今ある内装をそのまま使える「居抜き物件」の人気が高まっているのも、この理由からです。内装を一から作らなければならない「スケルトン物件」では、開店して収入を得られるようになるまでにかかる家賃がいくらになるかを考える必要があります。
家賃比率とは?適正比率は?
家賃比率とは、売り上げに対する家賃の比率のことです。飲食店における経費の中でも大きいものの1つとして挙げられるのが、「家賃」です。
家賃比率の適正比率は7%から10%だと言われています。数値が10%以上になると、赤字になる可能性が高いので注意しておく必要があります。小さい店舗の場合は7%前後が目安で、大規模な店舗の場合は10%が目安となると言われています。
家賃は変動することがなく、定額です。つまり、基本的に気にしておく必要があるのは家賃ではなく売り上げの数値となってきます。例えば10万円の家賃が必要となる店舗は比較的小規模なので、家賃比率の目安は7%前後。家賃比率を7%にするためには、売り上げが約140万円ほど必要となります。家賃が50万円ほど必要となる店なら比較的大規模なので、目安となる家賃比率は10%。売上額が500万円以上であれば黒字になると考えていいでしょう。ここで挙げた家賃比率はあくまでも家賃以外の経費が一般的な金額である場合に限ります。そのため前後することもあります。
大事なのは物件取得前に計画(シミュレーション)を立てる事!
家賃は固定費なので、営業がスタートしてから削減することは無理と思っておいた方がいいです。思ったように売上が伸びなかったからといって、家賃を値下げしてもらうことは難しいでしょう。
そこで大切になるのが、物件を契約する前に綿密な売上シミュレーションを行うことです。例えば、家賃が20万円の店舗を契約しようとしている場合、単純に家賃の10倍となる月商200万円売り上げるプランを作りましょう。月商200万以上を達成するための、目標客数と客単価を明確に設定します。定休日がいつなのか、営業時間は何時から何時なのかも細かく決めることで、「1か月のうち何時間営業し、1時間でいくら売り上げる必要があるのか」という視点を持つことができます。客数は多く見積もりすぎないように注意しましょう。
上記のように計画を立てて無理があるようであれば、違う候補の物件を探しましょう。
まとめ
家賃は、原材料・人件費に次いで割合の大きな経費です。希望のエリアや内装でも、適正な家賃比率を上回れば経営は立ちいかなくなります。物件契約前に事前のシミュレーションを行い、慎重に検討してください。また、家賃の高さだけではなく、立地や客層、店舗の広さや駐車場の有無など、多角的な視点をもって物件探しを行いましょう。