飲食店開業計画:理想的な店舗物件の見つけ方ガイド
飲食店を開業しようとした時、資金面と同じく悩むのが店舗物件を探すことです。
飲食店の物件を探すには、色々な手段や方法がありますので、今回は、飲食店の店舗物件を探す方法について解説していきます。
店舗物件探しの下準備について
- 自店が出店する店舗物件の「外せない」条件が明確になっている
- 資金準備(融資)の計画・算段ができた
- 賃貸契約に必要な連帯保証人候補から内諾を得た
2店舗、3店舗目と経験を積むごとに意思決定のスピードは速くなりますが、やはり最初の1店舗目となると慎重になることも多いでしょう。しかし、良い物件であればあるほどスピード勝負になってきます。
例えば、居抜き物件サイトで扱う約半数の物件は、募集開始~2ヶ月以内に契約が完了します。裏を返せば出店検討時は常に新着物件にアンテナを張り、条件に合う物件が出てきたら内覧と申し込みはスピーディーに進める必要があります。たとえ同じ物件で競合が現れても、準備周到でスピーディーにやり取りできるが優先されるのは必然です。
申し込み時に必要な、連帯保証人の準備や契約に必要な資金の手当てなど、具体的な物件探し前にしっかり準備してきたことが大きな差になるのです。
飲食店の店舗物件を探す主な6つの方法
店舗物件探しは、色々な手段があります。それぞれに長所・短所がありますので、ご自分のスタイルにあう手段はもちろん、事情が許すなら、より多くの手段で探すほうが断然有利です。
①インターネット
飲食店専用の「居抜き物件」「店舗物件」を専門に紹介しているサイトや不動産という大きな括りの中で一部店舗物件を紹介しているサイトがあります。
飲食店物件は、今は条件に合うものが見つからなくても、急にサイトに出てくる場合があります。抜け漏れを無くすために、サイトに登録しておくことをお勧めします。新着物件のお知らせや希望条件の物件が出てきた際のお知らせなどを発信するサイトであれば、受動的に情報をとることができます。
特定サイトのみで取り扱っている物件もありますので。複数のサイトの情報閲覧、サイト登録をしておくことが重要です。
②地域密着型の不動産業者
出店希望エリアを決めているのであれば、出店希望エリアの不動産業者を訪問してみるのも物件探しの有効な手段です。飲食店専用サイトなどでは取り扱っていない物件を地場の不動産業者で扱っているケースは多くあります。
③店舗物件を扱う不動産会社
大手不動産、賃貸専門の不動産チェーン、店舗専門の不動産業者など、良い物件は大手や店舗専門の業者がほぼ押さえています。但し、与信が高い人しか物件を借さない傾向があります。
④飲食に携わる専門業者
飲食店との関わりが多い業者には情報も入ってきます。例えば、内装業者や解体業者には、店舗閉店に伴い、依頼が来る可能性がありますので、優良物件の情報を持っている可能性があります。
更に、日々定期的に卸している、卸業者や飲料品などの仕入れ業者なども閉店情報を早くつかんでいる可能性があります。
⑤友人・知人からの紹介
アンテナを広げるために、友人・知人に飲食店の物件を探していることを伝える事によって、SNSで拡散してもらえたり、知人の行きつけのお店でたまたま物件退去することを検討しているといったこともあります。
⑥自分の足で探して「テナント募集」の張り紙をチェックする
よくやる手法ですが、飲食店開業を検討した時から、どこに行動していても、空き店舗の「テナント募集」の張り紙を確認することも重要です。必ず不動産業者の名前と電話番号が記載していますので、チェックしましょう。
立地調査は重要
インターネットや不動産業者から物件の情報を得て、自分が考えているコンセプトに合わないのに妥協して契約してしまう方は多いです。物件取得で色々な方の対応をしてきましたので、物件取得の大変さは分かります。
しかし、この決断がもとで1年以内にお店を畳んだという方もいらっしゃいます。そうならない為にも、紹介を受けた時もしくは余裕があれば準備段階で必ず立地調査を行いましょう。
立地調査の一番の目的は、その物件に「集客力があるかどうか」を調べることです。賃料が安価であったり、街の雰囲気がいいといった理由だけで物件を決めても、集客力がなければビジネスになりません。最低でも下記はチェックしておきましょう。
- 窓駅からの距離はどのくらいか
- 通行量はどのくらいか(平日、週末、昼間、夜間、晴れの日、雨の日で確認する)
- 通行人はお店のターゲットとあっているか(平日、週末、昼間、夜間、晴れの日、雨の日で確認する)
- 何階にある物件か(できれば1階の物件が良い)
- まわりのお店は競合になる店はないか
- 入口に段差はないか(お店の正面が見やすいか)
- 看板の取り付け位置は見やすいか
- 店頭に置き看板を置くスペースはあるか
- 近くに集客施設(商業施設や教育施設など)があるか
- 駐車場があるか
契約内容の確認
- 一般(普通)賃貸借契約書:期限の定めがない契約
- 定期借家契約書:期限の定めがある契約
基本的に物件を借りる際には、上記どちらかになりますが、出来れば「一般(普通)賃貸借契約書」が望ましいです。基本的に契約書が全てになりますので、契約書内容は必ず一字一句確認しましょう。定期借家契約書は契約年数や更新の協議が出来るか否か、特約条項※(特殊な内容が記載している)は必ず確認しましょう。
契約書には不明な点が多いので、疑問点をできるだけ抽出を行い、専門家(弁護士か行政書士など)に確認し、理解しておくことが大切です。
まとめ
飲食店の物件は好条件であればあるほど、すぐに他の方に取得されてしまいます。但し、何も調べずに物件取得してしまうと、廃業につながります。しっかりとした準備(立地調査など)とサイトや不動産業者、友人・知人など色々な人を巻き込みながら探していきましょう。