飲食店経営なら知っておきたい「廃業」「閉店」「倒産」「休業」の違いとは?
飲食店は数ある業種の中でも、特に生き残るのが難しい業界です。飲食店開業後2年以内に50%、10年以内には95%のお店が廃業すると言われています。廃業の理由として多いのは「経営不振」ですが、自分や家族の病気、後継者の不在、立ち退きなど、やむを得ない理由でお店をたたむオーナーも多くいます。
今回は、飲食店経営者なら知っておきたい「廃業」「閉店」「倒産」「休業」の違いについて解説します。
「廃業」「閉店」「倒産」「休業」の違いとは?
「廃業」「閉店」「倒産」「休業」の違いをまとめると、以下のようになります。
- 「廃業」:自ら事業をたたむこと
- 「閉店」:対象の店舗をたたむこと
- 「倒産」:金銭的な理由で事業を継続できなくなった状態のこと
- 「休業」:会社を残したまま一時的に事業を停止すること
それぞれについて詳しく説明していきます。
廃業とは?
廃業とは、会社や個人事業主が「自主的に」事業をやめることです。たとえば飲食店のオーナーが、高齢で体力的に事業を続けるのが難しい、後継者がいないといった理由から、自らの判断でお店をたたむことなどが該当します。
閉店とは?
閉店とは「その店舗での営業をやめること」です。多店舗展開している場合は、経営不振などで特定の店舗をたたむことがありますが、そのような場合が「閉店」です。何店舗も運営していて、そのどれかの店舗の営業をやめる場合は「閉店」であり「廃業」ではありません。その店舗が無くなるだけで、事業としては続いているからです。しかし1店舗しかないお店では、「閉店」は「廃業」と同じ意味をもつことになります。
倒産とは?
倒産とは、金銭的な理由で事業を継続できなくなったという意味です。債務超過や債務の支払不能などに陥っていることが多く、従業員への給与の支払いや取引先への支払いも難しい状況です。倒産した場合の処理は、「法的倒産」と「私的倒産」の2つに大きく分けられ、法的整理や私的整理を通して、できる限り返済を目指すことになります。
休業とは?
休業とは、会社を残したまま一時的に事業を停止するという意味です。会社そのものは存続しているため、事業を再開しようと思った時は、所定の手続きをするだけでスムーズに再開できます。休業すると、法人税・消費税などの税金が発生しないというメリットがあります。ただし、最後の登記をしてから12年を経過した株式会社は、解散とみなされることがあるため、まだ事業をやめない場合はその旨の届出が必要です。
まとめ
今回は、「廃業」「閉店」「倒産」「休業」の違いについて解説しました。
それぞれの意味を知っていたからといって売り上げが上がるわけではないですが、専門家などと相談する際に出てくる言葉ですので、予め知っておきましょう。