飲食に関するノウハウを提供する情報メディア

【飲食店開業】内装工事の見積りに良く記載されている項目や見る際のポイントについてご紹介


飲食店の内装工事を業者に依頼する際には、見積もりを取ることが一般的ですが、見積もりを見るだけだと内訳がわからなかったり、適正な費用なのか見当がつかなかったりと、トラブルを招くこともあります。

そこで今回は内装工事の見積りに良く記載されている項目や見る際のポイントについてご紹介していきます。

※この記事を書いている「飲食開業のミカタ」を運営している株式会社ベクターホールディングスが発行している「起業のミカタ(小冊子)」では、更に詳しい情報を解説しています。無料でお送りしていますので、是非取り寄せをしてみて下さい。

店舗内装の見積書によく記載されている工事内訳とは?

内装業者などから掲出される見積書は専門用語が多く、どんな工事をするのかまったく分からないという方は多いのではないでしょうか。ここでは、見積書に記載されている工事の内容について詳しく解説します。

設計(デザイン)費

設計費は店舗の天井・壁・床の内装デザインや、間仕切りの位置などのレイアウトなど、内装のすべてを総合的に設計する費用です。インテリアプランナー・コーディネーターの資格を持つ業者に依頼すると、レイアウトまで考案してもらえます。ちなみに、レイアウトまで考えてもらう場合は、建築基準法に抵触しない設計を考案する必要があるため、建築士による設計も必要になります。

内装工事費

天井・壁・床などを仕上げる工事費用です。飲食店では客席、美容院やサロンではスタッフルームのように、他の場所と一緒に施工を行ったときは同じ坪単価で算出されます。1坪を約3.3㎡ほどですので、坪単価が決まると工事に必要な費用を面積で割り出すことができます。天井・壁・床をそれぞれ一部ずつ工事するよりも、一括で行ったほうが費用が安く済むことがあります。

仮設工事費

仮設工事とは、工事をしない部分を傷つけないように、マスキングテープなどで覆う養生のことです。仮設工事費には、養生以外に仮設電気や仮設水道、仮設トイレを設置した費用も含まれます。工事後は撤去してしまうので残りませんが、施工の良し悪しに影響を及ぼすといわれています。

解体工事費

解体工事費は、主に居ぬき物件で開業するときに必要になる工事費用です。既に内装や設備が解体されていて、何もない状態のスケルトン物件であれば、大掛かりな解体の行うことはまずないでしょう。居ぬき物件の場合、設備や間仕切りが前テナントが使用したまま残っています。そのまま使用するのであれば解体の必要はありません。しかし、店舗内装の一部を撤去して新たな設備を導入したり、間取りを変更する場合は、居ぬき物件でも解体工事を行うことになります。

軽鉄(LGS)、ボード工事費

内装工事の中には、軽鉄・ボード工事と木工造作工事費で分かれることがあります。軽鉄・ボード工事費は、室内の壁と天井を造作するときに発生する費用です。壁や天井の骨組みを作るときに、LGSと呼ばれる軽量形鋼を使用することから、LGS・ボード工事と書いてあることがあります。昔は、木材で骨組みを作るのが主流でしたが、近年では防火性の高さと価格の安さから、LGSを使用するところが増えてきています。

電気工事費

コンセント・配電・照明など電気設備の費用です。分電盤や配線工事など80~120万円程度が目安になります。 もし電気容量が足りない場合は、別途で幹線引込工事が必要です。

木工造作工事

室内の床や階段、窓など、木材を取付ける費用のことです。LGSではなく、木材で造作するときはこの項目に含まれます。木製家具の取り付けが「大工費」も含まれることもあります。

資材費

コンクリートや木材、タイル、壁紙など対象となる工事現場の大きさによって増減する建築資材の項目です。そこには必ず「量」及び「単価」そして「総額」が明示されるべきです。資材一式いくらといった書き方の場合は必ず問い合わせましょう。

施工費

人工(にんく)と呼ばれる労務費です。例え一人の方が施工するのであっても数日にまたがる工事であれば人工の工数は増えて行きます。ここをチェックする際は、工事の工程表と合わせて検討するようにしましょう。

運搬費

建築資材を工事現場まで運ぶ費用です。あわせてそのを工事するのに使用する道具も運ばなければなりません。例えば、コンクリートを現場で造るのなら水や骨材を混ぜるミキサーが必要となりますが、こういった機材の運搬費も含まれます。

厨房設備費 (厨房機器とそれを設置する工事)

居抜き物件であればそのまま使うことがほとんどですが、新装オープンの場合はすべて買い揃えなくてはならず、業態によって費用は大きく異なります。

塗装工事費

塗装工事費は、内装の壁を美観や下地の保護のために、塗装したときの費用です。近年、塗料の質によって様々な機能を持つものが販売されています。色のバリエーションも多いので、ご自身が目指すコンセプトに合ったものを選びましょう。塗料は内装用と外装用があります。業者に依頼するのであれば、間違うことはありませんが、DIYで行うときは内装用の水性塗料を選んでください。鼻を刺すような臭いもなく、アレルギーの心配がないので、自然塗料がおすすめです。

左官工事費

漆喰、珪藻土で室内の壁を仕上げるときは、左官工事になります。床や壁にモルタルや漆喰などの材料を塗ったり、吹き付けたりする工事です。簡単に見えてかなり高い技術が必要で、そのようなスキルを持っている人は職人として高い地位にあります。わざと粗目に作業をして、手作り感を残す作業をすることもあります。

水道管工事費

給排水管など水回りの費用です。新設の場合、給水管引込工事や屋内配管工事が必要です。飲食店の場合、水回りの工事は必須です。

ガス工事費

ガスの引き込みやガス設備の費用です。中華料理では特に高火力が必要になるため注意したい部分です。

家具工事費

家具工事は、商品棚やレジカウンターなど、既に完成している家具や什器を取り付けたときの費用です。大工工事費と似ていますが、家具工事費は既に完成している家具を取り付ける場合に発生し、大工工事費は現場で大工が家具を制作した場合に発生します。大工工事では、現場で設置場所を確認しながら調整ができますが、家具工事はきちんと設置されるように、丁寧な制作が求められます。その点では、職人の技術が試される工事だといえます。

ダクト設備費

具体的には「空調ダクト」「排気/換気ダクト」「厨房ダクト」「排煙ダクト」などがあります。厨房はもちろん客席にも設置する必要があります。焼き肉店の場合は煙の処理が必要なため特殊な空調設備が必要です。

看板設置工事費

看板設置工事費は、店舗の顔となる重要な看板で必要になる費用です。看板は種類が非常に豊富で、店舗の外壁や屋上などに直接取付けるものだけでなく、置き看板や建植看板など建物とは別に設置するものなどがあります。さらに、LEDライトで光らせる看板やシンプルな看板をスポットライトで照らすなど、照明を追加するかでも費用が変わります。

ガラス工事費

ガラス工事費は、窓の開口部やショーウィンドウなどでガラスを利用したときに発生する工事です。ちなみに開口部とは、店舗の窓や出入口など室外に面して開かれた部分のことです。ガラスは建材の中でも単価が高い部類に入るため、使用するガラスの量によって工事費が高額になることがあります。

衛生設備費

そもそも衛生設備とは、トイレの便器や紙巻器、洗面器、タオル掛けなどのことを指します。そのため衛生設備費はトイレに関する工事費用のことです。スケルトン物件では、トイレを新たに設置するので20万程度かかります。居ぬき物件でも、元々あった和式トイレを洋式に変更する場合は、解体費用がかかるため20万以上することがあります。

諸経費

工事の保険や通信費、交通費、現場監督・職人の給与、ガソリン代など。諸経費と表現されるケースもあります。一般的には現場の管理費を指します。

【無料】飲食開業相談会を実施しています。飲食開業相談会申し込みはこちらから。

内装工事の見積もりで費用を抑えるためのポイントとは?

見積もりの段階で高額な費用を提示されると、予算のことが気になって工事自体を取り止めてしまうケースが多々あります。そのため、見積もりで費用を抑えるためのポイントをご紹介します。

見積もりは2社以上で比較する

見積もりは1社だけで決めずに、2~3社程度で比較すると相場が見えてきます。即決せずに比較検討した上で決めてください。

見積もりは、業者によって使用する道具や工事方法が違うので金額に差が出ます。そのとき、安い業者に決める方が多いのですが、技術力が低いと工事を行ってからすぐに不具合が起こることがあります。また、無理に見積もり金額を下げたことで、安価の建材を使用されたり手抜き工事をされたケースがあります。法外な料金を請求したのでなければ、見積書の金額は建材の価格によって算出されています。価格だけでなく、丁寧な対応や提案力など、最終的にご自身の条件の合う業者に決めると良いでしょう。

坪単価で一括施工する

内装工事を行うときはできるだけ一括で行うとよいでしょう。店舗を長期間閉めたくないからといって、天井、壁、床、客席などを個別に行うと、それぞれに諸経費などが発生し、費用は割高になります。全体的な内装工事を検討しているのであれば、一括で行い坪単価の見積もりを出してもらいましょう。

分からないところは業者に質問する

店舗内装や店舗外装は、専門的な知識が必要になる分野です。飲食店の経営をしている方で、医療について精通している方がそう多くないように、業種が違うので業者との打ち合わせや見積書を見たとき、分からないことだらけだと思います。分からないことは、そのままにせず担当者や職人に質問しましょう。

不明点を業者の担当者に聞いた際、答えが曖昧であったり、説明が不十分ですと実際の施工にも不安が募ります。予期せぬ追加費用が発生したり、余計な工事が発生するかもしれません。質問することにより無駄な工事を防ぎ、業者を見極めるときの判断材料のひとつになります。

施工に使用する材料のグレードを下げる

施工にかかる人件費など、削ることが難しい項目が多々ありますが、内装、または外装で使用する材料のグレードを下げることで、費用を抑えることができます。そうはいっても、費用を抑えることを優先しすぎると、ご自身が求めていた性能がなかったり、劣化が早まってしまうと本末転倒です。費用面、性能とのバランスを考慮して判断してください。

まとめ


いかがでしたでしょうか?今回は、内装工事の見積もりを見る際のポイントについてご紹介しました。

一口に見積書と言ってもさまざまです。また、会社によって強みやノウハウ、工事方法や提案内容が違います。特に飲食店の場合は、物件選びや厨房設備、業態によって設備が違うため、工事費用には幅があることを念頭におきましょう。まずは見積書によく書かれている項目の中で、チェックしたいものを紹介します。もし手元に見積書がある場合は見比べてみるのもおすすめです。

【無料】資金調達相談会を実施しています。資金調達相談会申し込みはこちらから。
記事のお問い合わせは
下記メールアドレスへ問合せください。

株式会社ベクターホールディングス
メール:kigyou@vector.co.jp

カテゴリー

タグ

おすすめ記事

起業・開業 情報サイト
資金調達 情報サイト
Vectorソフト販売サイト
Vector PCショップ
LINE公式追加はこちら
公式Twitter始めました