成功への投資!飲食店開業で税理士の必要性を探る
飲食店を開業する際には物件取得や内装、採用などお金が多くかかってきますので、出来るだけ出費を減らすことを考えますので、最初から税理士と顧問契約しなくてもよいと考えている人は多いですが、税理士と顧問契約をした場合には、顧問料金や決算料(確定申告)などある程度の費用がかかりますが、支払った報酬以上に様々なメリットがあります。
今回は、飲食店を開業する場合、税理士は必要か?その理由について解説していきます。
飲食店を開業する場合、税理士は必要か?
結論から言うと、飲食店開業する際には税理士は必要です。税理士が必要な理由は以下となります。
- 開業にかかる費用を安く抑えることができる場合がある
- 金融機関からの融資が受けやすくなる場合がある
- 認定支援機関の税理士経由だと融資の金利が安くなる場合がある
- 面倒な経理業務を丸投げすることで、本業に専念できる
- 従業員を雇った場合には、給与計算、年末調整などの業務を依頼することが出来る
- 法人の場合は決算・申告が複雑・難解なため自力でするのは難しい
- 節税や経営にかんするアドバイスを受けることができる
- 税務調査が入った場合に適切に対策が出来る(飲食業は税務調査が入りやすい業種)
特に飲食店を多く顧問先に持っている税理士及び税理士事務所と契約すればノウハウが蓄積されていますので、かえって開業にかかる費用を安く抑えることができる場合があったり、仕入れや売り上げなどの仕分けが多い飲食店の場合、自分自身で全て行おうとすると時間や間違いが発生する可能性があります。
その他、開業に重要な資金調達の手伝いをしてくれたり、節税対策、給与計算、決算(個人は確定申告)など専門性のあるものをすべて代行してくれます。
ここで重要なのは、自分が課題としている事を行ってくれる税理士なのかです。税理士選びに失敗すると、顧問料の割にはサービスが悪くメリットがないと感じてしまいますので、税理士選びは慎重に行う事が得策です。
税理士に依頼するベストなタイミングとは?
では、いったいいつ頃税理士に相談すればいいのでしょうか?結論から言うと早いに越したことはありません。特にまだ開業準備中の方であれば、特に資金調達が必要なケースが多いので、この段階で税理士の経験や知識が役に立つことも多いのです。(融資や制度利用で有利になることも多々あります)開業準備中はどうしてもバタバタしてしまいますが、税理士さんに相談するということも頭の片隅に置いておきましょう。
そして、すでに飲食店を経営されている方であっても、なるべく早くということは同じです。確定申告の直前こそ税理士の必要性を強く感じますが、直前になっていきなり税理士に依頼しようとしても案件が多くてお断りされてなかなか税理士が見つからないか、見つかっても直前なので税理士費用も割高になりますので、早めに相談しておくことをおススメします。
税理士選びのポイントとは?
税理士を選ぶ場合のポイントは以下になります。
起業・開業者の対応を多く行っていること
税理士の平均年齢は60歳と言われています。法改正など色々と変化している中で、起業・開業者と接点がなく、定型的な税務調査のみ行っている税理士だと、最新の情報に疎く、起業家自身で調べなくてはいけない事態になり、それだけで生産性が悪い状況になります。
飲食業界に精通しているか?
税理士であれば、税務や経営全般に精通していると思われがちですが、実はそうではありません。税理士も医者と同じように、専門分野や得意分野があります。例えば、相続専門税理士や医療特化の税理士など、細かく専門分野が存在します。
飲食店のお客さんをメインとしている税理士や、飲食店の開業支援に強い税理士など、多数存在します。飲食業界に強い顧問税理士を雇った場合には、税務サービスとは別に蓄積されたノウハウから、経営に関するアドバイスを受けることも期待できます。
情報量が多いこと
開業時にしか申請できない補助金や助成金などがあります。顧客の資金を潤すために動ける税理士であれば、補助金などの情報は掴んでいるはずです。認定支援機関であることも重要です。補助金の中には認定支援機関の税理士事務所でなければ申請できないものもあります。
資金調達に強みを持つこと
飲食店開業には何かと資金が必要になります。また、当初の事業計画を税理士と見直してみたところ、新たな資金需要が発覚する恐れもあります。いろいろな資金調達に役立つ制度に詳しかったり、銀行に太いパイプがあるなど、開業時ならではの資金需要をカバーできる税理士は頼りになります。融資実績や金融機関との関係性を確認しておくことも大事です。
価格が明確であること
税理士事務所の中には、顧問料にプラスアルファでコンサルティング費用や補助金や融資などの成果報酬など、後付けで請求する事務所もあります。最初に問い合わせた段階で、ケースバイケースの費用を確認しましょう。
開業時には出来るだけ顧問料を押さえたい所ですが、金額が安いだけで判断することはやめましょう。業務の効率を鑑みて、金額に見合う仕事をするものです。安ければ安いなりの仕事になってしまうこともあります。
コミュニケーション能力が高いこと
ただ単に話が旨いという事ではありません。相手の気持ちになれたり、何を欲しがっているのか把握したり、普段の生活の中での基本的な部分だと思いますが、コミュニケーション能力が低いと、ストレスや生産性が悪くなってしまいます。ここで重要なのは、会ってすぐに決めるのではなく、何回かやり取りをすることです。質問をぶつけてみて、回答内容や回答スピードを確認することは重要です。
税理士の顧問契約料の相場
法人
個人事業主
一般的に、法人と個人事業主では顧問契約料金が違います。そして、基本的な税理士の顧問料金は「年商」「税理士の訪問頻度」「決算/確定申告」によって算出されます。また、財務書類を作成したり、会計帳簿を記帳代行業務は別途プラスアルファで費用が発生します。
顧問契約の形はとても多様ですし、業種・業態によっても左右される面がありますので、上記はあくまでも相場の料金になります。税理士事務所によって料金が変わってくることをご了承ください。
創業融資に強い税理士の見分け方
飲食店を開業する際に、ほとんどに人が自己資金だけでは足らず、資金調達をする事になります。出来れば、資金調達に強い税理士に依頼したい所ですが、実際には全て当てはまる税理士はなかなかいません。
ここでは令和2年7月現在、税理士法人届出数(6,334社)税理士登録者(78,714人)と全国で多数の事務所や登録者がいる中で、創業融資に強い税理士の見分け方についてお知らせします。
経営革新等支援機関(認定支援機関)であるか
前提として、「認定支援機関」を取得しているか否かで起業初期の顧問を積極的にしているかという判断基準になります。
この「認定支援機関」とは、国からある一定の知識、技術、経験を持っている方や事務所に対し、与えられる資格のようなものです。
具体的には税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を、経営革新等支援機関として認定することにより、 中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。
基本的に税理士の資格さえあれば、申請を出せば誰でも取れるものですが、実際に認定支援機関を取得しているのは全体の5%程と少なく税理士だからと言って、誰でも取得しているわけではありません。その理由として、認定支援機関を取得するにあたって上記にも書いたように、起業初期の顧問を積極的におこなっているかということろで、起業初期の顧問料の関係や廃業する確率を考えると、積極的に顧問を行いたくないというのが本音です。
起業初期の顧問をやらないということであれば、認定支援機関も取る必要がないという理由で、取得率も5%程と結果に表れています。ただし、認定支援機関を取得しているからと言って、全ての税理士が融資に強いとは限りません。最低限、認定支援機関を取得していないと、起業初期の方を相手にしていないということになります。
繋がっている金融機関はどこか
この質問で大きく結果が変わってくると言っても過言では無いくらい重要な質問になります。それが、どの金融機関と繋がりを持っているのか?ということです。
まずはじめに出てくる金融機関が「日本政策金融公庫」であれば融資に強いということの確率が高まります。日本政策金融公庫は日本全国のどこにでもあり、起業融資や事業拡大のための融資を行う為に設立された銀行の為、他の金融機関と比べ、比較的融資がおりやすいとされており、そのような金融機関と繋がっている税理士であれば実績のある方だと思われます。
また、金融機関は支店によってランクが分かれており、新宿、渋谷、東京丸の内など日本を代表するようなエリアの支店と繋がっているような税理士であれば信用がさらに増します。
融資申請前の金融機関への交渉をしているか
前述した通り、一度融資申請をしてしまうと2回目の融資申請まである程度の期間を開けなければいけない為、融資の申請をする前に、事前に金融機関との話し合いが出来るまでの、金融機関と親密度があるかどうかということが分かります。そこで話し合うことは、実際の融資金額と融資の通過する可能性で、実際のこととほぼ変わりない結果となります。
その為、融資申請の必要書類である事業計画書をその税理士と一緒になって作成する、または指導された事業計画書かどうかということも重要なポイントです。
融資面談の同席をしているか
よくインターネット上の記事で「融資が受かる事業計画書の書き方」のようなことが言われていますが、もちろん事業計画書の書き方もある程度作り込む必要がありますが、それよりも重要なことは実際の融資面談で金融機関側の融資担当からどう評価されるのかということが重要なポイントとなります。その事を知っている税理士は③のように事前に事業計画書をもとに融資金額を金融機関と話し合い、融資面談の際も隣にいて、不足がある場合も想定してそれを補う形で同席をします。
実際の融資面談は金融機関側は事前に内容を確認している為、融資をする人物(あなた)がどのような人であるかを中心に面談をします。
創業融資の実績が多い
当然、創業融資の経験が多ければ多いほど、金融機関の融資に対する特徴や借り入れできるポイントを多く把握しています。
一般的に税理士業界は平均年齢60歳と言われており、年配の税理士事務所は経験を生かして税務調査の能力にたけおり、既存顧客で案件を回しているケースが多いですが、創業融資の場合、基本的に新規顧客になりますので、創業融資の実績が少ない可能性があります。
まとめ
自力で条件に合う税理士を探すのには、大変な作業です。効率的に税理士を探したい人には、知人の紹介、検索エンジンで検索、税理士紹介サイトを活用などがあります。
税理士と顧問契約を結んだ場合、基本的には長い付き合いとなりますので、顧問料、サービス内容、人柄など、自分の希望に合うかじっくりと吟味したうえで、顧問契約を結ぶようにしましょう。