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すき焼き・しゃぶしゃぶ店での開業について~必要許可・届出や開業資金調達方法など~


牛肉は現代日本人の食生活に非常になじみのある食材となっており、すき焼き・しゃぶしゃぶ料理もポピュラーなメニューとして定着しています。また近年では野菜にこだわったり、豚肉などを使い「ヘルシーさ」を打ち出す、または1人鍋を用意して個人客に対応するなど新たな需要を取り込もうとしている業態も出てきています。

そこで今回は、すき焼き・しゃぶしゃぶ店での開業について解説していきます。

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すき焼き・しゃぶしゃぶ店開業にあたって必要な許可・手続き

まずすき焼き・しゃぶしゃぶ店開業にあたって必要な許可や手続きについてお知らせします。

食品衛生法に基づく営業許可

飲食店を開業するには、「飲食店営業」の申請を行い、許可を得る必要があります。手続きは、出店地域の保健所食品衛生課にて行う。申請に際しては、申請書、店舗図面(厨房配置入り平面図)、水質検査証明書、(法人の場合は法人の登記簿謄本)を手数料を添えて提出します。

食品衛生責任者の配置

食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられています。食品衛生責任者には、調理師、栄養士、製菓衛生師のいずれかの資格を持つ者が必要です。資格者がいない場合は、地域の保健所が実施する食品衛生責任者のための講習を受講し、試験に合格しなければなりません。なお、食品衛生責任者の資格は、各都道府県内のみ有効となっています。

その他の届出や手続き

その他、30席以上の店舗を構える場合には、消防署へ「防火管理者の届け出」が必要です。また、深夜0時をこえて営業をする場合には警察署に「深夜営業許可の届け出」をします。

個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。

法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。

個人店で難しい場合にはフランチャイズも検討しましょう

個人で仕入先の開拓や業態開発が難しい場合は、フランチャイズ加盟も選択肢に入れてもいいでしょう。その際にはフランチャイズ本部をしっかりと見極めなければなりません。

フランチャイズ加盟のメリットは、本部の経営ノウハウ、教育・研修システム、ブランドイメージが活用でき、未経験者でも比較的容易に開業できる点です。 一方、加盟金やロイヤリティーが必要になるほか、加盟をしても売上が保証されるものではありません。本部の経営状態、加盟金やロイヤリティーの水準、フォロー体制などに加えて競争の激しい市場で勝ち残る業態開発力を保有しているかということもフランチャイズ本部を見極めるポイントになります。

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すき焼き・しゃぶしゃぶ店開業に必要となる調理器具

  • ガスコンロ
  • 冷蔵庫
  • 冷凍庫
  • 炊飯ジャー
  • スライサー
  • 洗浄設備
  • 作業台
  • ワインセラー

すき焼き・しゃぶしゃぶ店では、特に肉を切るスライサーが重要になります。場合によっては100万円以上することもあります。また、すき焼き・しゃぶしゃぶ店は高級なワインなども提供するので、業務用のワインセラーも必要です。そのため、厨房機器なども合わせて、すべて新品で買い揃えれば400万円~500万円以上かかってしまうこともあります。

厨房機器は中古でも状態の良いものが数多くあるので、開業費用をできる限り抑えたい方は中古の厨房機器を探してみましょう。

すき焼き・しゃぶしゃぶ店開業前に見つけるべき仕入先

すき焼き・しゃぶしゃぶ店を開業する前に、営業に必要な仕入先も確保しておきましょう。すき焼き・しゃぶしゃぶ店に必要な仕入先として、以下のような業者が挙げられます。

  • 肉屋
  • 酒屋
  • 八百屋
  • 資材屋(割り箸等)
  • 米屋

すき焼き・しゃぶしゃぶ店は、とにかく「肉」が重要です。どこのブランド牛を仕入れるのかをしっかりと決めてから、こだわりの肉を仕入れられる肉屋と仕入れ契約を締結しましょう。地元だけでなく、産地の肉屋から直送で仕入れることで店のブランド力が高まります。また、すき焼き・しゃぶしゃぶ店は、すき焼き・しゃぶしゃぶに使用する野菜も重要です。他店と差別化を図るために地元の野菜にこだわる必要があるので、農家との直接契約や契約栽培などでブランディングをしましょう。

その他、提供するワイン・スパークリングワイン・日本酒・焼酎・ウイスキーなどにもこだわるようにしましょう。すき焼き・しゃぶしゃぶ店などの高級店は、全てにおいてこだわりと特別感が重要になります。

すき焼き・しゃぶしゃぶ店の集客方法

開業したら地域にお店を知ってもらう必要があります。そのため、最初は以下のような方法で広告を出すことも検討しましょう。

  • 食べログやぐるなび
  • フリーペーパー
  • チラシ
  • 割引券の配布
  • Twitter、InstagramなどのSNS

こだわりがある、美味しいすき焼き・しゃぶしゃぶ店は遠くからでも顧客を集客することができます。そのため、店舗を知ってもらうために、最初はある程度の広告費をかけることも重要です。開業からの数カ月間は、食べログやぐるなびなどに広告を出して、店舗の知名度を上げて新規顧客を誘引しましょう。

そして、一定の時間が経ったら広告費を落として、口コミやリピーターからの新規顧客の紹介で、顧客を確保していく方法を検討しましょう。

すき焼き・しゃぶしゃぶ店の採用方法

オープニングスタッフを採用するかどうかは、店の規模に応じて決めましょう。人件費は店舗経営における最も大きな固定費になるので、1人または家族で店舗が回るのなら、オープニングスタッフをあえて雇用する必要はありません。特にすき焼き・しゃぶしゃぶ店はオープン前にすき焼き・しゃぶしゃぶを仕込んでしまうので、オープン後はそれほどやることがありません。まずは「どうすれば人を雇わずに店を回すことができるか」を考えましょう。

また、誰かに任せる場合や店舗の規模が大きい場合には、接客のプロフェッショナルを吟味して採用する必要があります。高級志向のすき焼き・しゃぶしゃぶ店は、接客にも高いレベルが求められるので、ある程度お金をかけて求人誌で募集するか、転職エージェントで他店のマネージャークラスをスカウトするとよいでしょう。

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開業資金をどこから調達すればいいのか?

開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

信用保証付の融資

「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

親族、友人・知人からの借入

親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

まとめ


いかがでしたでしょうか?今回は、すき焼き・しゃぶしゃぶ店での開業について解説しました。

近年は「木曽路」に代表される高価格業態と「しゃぶしゃぶ温野菜」に代表される低価格業態の二極化が顕著です。起業・開業に際しては、どのような業態で出店するのか、つまりどのような顧客をターゲットとするのかを鮮明にすることが必要になってきます。

事前に事業計画を立て、自分に合った業態で出店するようにしましょう。

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株式会社ベクターホールディングス
メール:kigyou@vector.co.jp

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