飲食店の「常連客」を増やすメリットや増やす方法をご紹介
飲食店が効果的に売り上げを伸ばすためには、「常連客」の獲得が欠かせません。なぜなら、常連客は新規顧客と比較してコストを抑えて集客できる上、口コミや紹介などによる新規顧客獲得の相乗効果も期待できるからです。
そこで今回は、飲食店の「常連客」を増やすメリットや増やす方法をご紹介します。
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そもそも常連客とは?
そもそも常連客とは、定義がないものです。一般的には、同じ店舗を何回もリピートして来店するお客様のことをいいますが、具体的に何回リピートしたら常連客である、という定義はなく、人の感覚によってそれぞれです。
例えば、2回通っただけで常連客であると捉える人もいれば、スタッフと顔なじみになることで常連客であると捉える人もいるでしょう。
常連客を増やすメリットとは?
常連客を増やすことには、以下のようなメリットがあります。
経営が安定する
常連客が多い飲食店は、長期にわたり安定的な経営ができる傾向があります。一定のペースで長く店舗へ通ってくれる常連客の存在は、売上を安定させる上で大切な要素の1つになります。
効率的に売上を上げられる
新規客を獲得するためには、ポスターやチラシの作成、ネット広告等、広告費用がかかります。一般的に新規客の獲得は、常連客を獲得する5倍のコストがかかるとも言われています。そのため、新規客の割合が高ければ高いほど、売上が高くても利益率は低くなってしまう傾向があります。常連客の獲得やリピート頻度を上げることに力を入れることで費用を減らし、利益率を上げることができます。
新規客を一緒に連れて来てくれる
家族や友人、会社の同僚などの新規顧客におすすめのお店として紹介してくれたり、一緒に来店してくれることもあります。常連客がお店の口コミを自然と広げてくれるので、新規客を費用を掛けずに集客することができます。紹介であれば新規客を費用を掛けずに集客することができます。
【基本】飲食店で常連客を増やす方法
まず、飲食店が常連客を増やすために取り組みたい基本的な施策を紹介します。
積極的に声がけする
常連客を増やすには、スタッフの心地良い接客態度や積極的な声がけ、心配りなどが大切です。どんなに料理がおいしかったり、コストパフォーマンスが優れていたりしても、接客態度やマナーが悪ければ「また利用したい」とは思ってもらえないでしょう。食事中の声がけはもちろんのこと、お支払いからお見送りまで積極的かつ心地良い接客態度を心がけましょう。
中でも、お支払いからお見送りにかけの接客は、お客さんの印象に特に残りやすいところです。「おいしく召し上がっていただけましたか?」「ぜひまたお越しくださいね。」など、親しみを込めた声がけをできるといいでしょう。また、常連客に対しては、「いつもご利用ありがとうございます。」「またお待ちしています。」などといった声がけをすることで、特別感を演出することができます。
看板メニューを用意する
常連客を増やすためには、大前提としておいしい料理を提供することが不可欠です。しかし、料理がおいしい他の飲食店と差別化するためには、「〇〇といえばあのお店」「〇〇があるからあそこへ行こう」などと思ってもらうためのプラスアルファ、いわゆる看板メニューが欲しいところです。
看板メニューを用意することには、お客さんの印象に残りやすい、口コミやSNSの投稿につながりやすいなどのメリットがあります。効果的に常連客を増やしつつ、同時に口コミなどから新規顧客も開拓できるため、看板メニューがあるとないとでは、売り上げに大きな差が出ると言っても過言ではありません。
次回使える割引クーポンをわたす
来店してくれたお客さんに対して、次回来店時に使える割引クーポンやチケットを渡すことも、常連客を増やすための施策として効果的です。当然のことながら、常連客になってもらうには、2回目の来店をしてもらう必要があります。2回目の来店につなげることができれば、3回目、4回目……と常連化してもらえる可能性も高まります。1回目の来店をしっかりと2回目の来店につなげるためにも、お得感を感じてもらえるような割引クーポンやチケットなどを配布すると良いでしょう。
また、スタンプカードなどで「3回来店で〇〇をプレゼント」といった特典を用意するのも効果的です。1回目から2回目、そして2回目から3回目とリピートしてもらえるよう工夫しましょう。
【応用】飲食店で常連客を増やす方法
ここまでで、飲食店が常連客を増やすための基本的な施策についてお伝えしました。そこで次に、基本的な施策に加えて取り組みたい応用的な施策を紹介していきます。
特別感の演出する
常連客になってもらうためには、お客様が求めているものを理解している必要があります。それは、「目に見えないサービス」である場合も多いです。お客様の顔や名前、いつもご注文いただくメニューなどを覚えることも有効です。
来店時、「今日ちょうど取れたての美味しい鯵が入ったので、鯵がお好きな○○様にお越しいただきたいと思っていたところでした!」など声話かけると、自分はこのお店にとって特別な存在なのだと感じてもらうことができます。
ただ、やりすぎは禁物です。既存の常連客に特別な扱いばかりしていると、新規客が疎外感を感じてしまいます。適切な距離を取り、全てのお客様に楽しんでいただく配慮は忘れないようにしましょう。
顧客情報を獲得する
効果的に常連客を増やすには、お客さんにお店の情報を届けるための手段、いわゆるクーポンやメッセージの送付先といった顧客情報を獲得することが大切です。
たとえば、会員登録やLINE公式アカウントの友だち登録などを条件に、当日使える割引クーポンをプレゼントするとします。これにより、お客さんに最新情報をダイレクトに配信するための手段を獲得できます。顧客情報を獲得することで、2回目以降の来店のきっかけを作りやすくなるので、効果的に常連客を増やすことができます。
SNSで情報発信する
Instagram(インスタグラム)やTwitterなど、SNS上でお店の情報を発信することも、常連客を増やすための施策として効果的です。というのも、SNSで情報発信することでお客さんにお店の魅力を思い出してもらい、「また利用してみようかな」と思ってもらうきっかけになるからです。
中でも、Instagramは写真を通して視覚的に料理やお店の雰囲気の魅力をアピールできるため、飲食店がぜひとも常連客の集客に活用したいSNSの一つです。「SNSを使ったことがない」という方は、ぜひこれを機にSNS運用を始めてみましょう。
顧客管理システムを利用する
顧客の再来店率を向上させ、戦略的に常連客を増やしたいのであれば、顧客管理システムの利用もおすすめです。顧客管理システムとは、その名の通り顧客の基本情報や予約・注文履歴などをワンストップで記録・管理できるシステムのことです。
顧客管理システムを利用することで、顧客の属性や来店頻度、好みなどを正確に把握できるようになるため、サービスの質を効果的に向上させることが可能になります。また、常連客の属性を分析しニーズを把握することで、より効果的な集客施策を行えるようにもなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、飲食店の「常連客」を増やすメリットや増やす方法をご紹介しました。
常連客を増やすことは、飲食店が売り上げを伸ばすにあたって欠かせない取り組みの一つです。「どういうお店ならまた利用したいと思うか」をお客さんの立場に立って考えることはもちろん、SNSや顧客管理システムなどを活用して戦略的にアプローチすることも大切です。
「売上が伸び悩んでいる」「常連客がなかなか定着しない」などとお悩みであれば、ぜひ今回紹介したポイントやサービスを参考にして、常連客の獲得を目指しましょう。