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料理人に『調理師免許』の資格は必要なのか?


料理人を目指すにあたって、取得しておきたいのが「調理師免許」です。飲食店開業の際や飲食店で調理業務に就く際、調理師免許は必須ではありませんが、取得しておくと多数のメリットがあります。

今回は、調理師免許についての基本的な情報や取得方法などについて解説していきます。

調理師免許とは?

調理師免許とは、調理に関するさまざまな知識・技術を持つ方に与えられる資格です。この資格を持っている方は、食材の調理方法や食文化、栄養、衛生などの知識があると認められ、「調理師」と名乗るのが許されます。国家資格であり、試験に合格すれば都道府県知事からの認定証が与えられます。調理師免許は「名称独占資格」です。調理師免許を持たない方が「調理師」と名乗るのは、法律で禁止されています。調理師のほかには製菓衛生士や栄養士、管理栄養士なども名称独占資格になります。

ちなみに調理師試験の合格率は60%~65%とされ、難易度は決して高いわけではないため、働きながら独学で取得する人も多いです。独立は信頼がなければできないことですから、一から店を立ち上げるには武器となってくれるでしょう。

調理師免許は必須の資格というわけではない!?

飲食店開業の際や料亭やレストランなどで料理人として働くのに、調理師免許は必須ではありません。調理師免許を持たない方が「調理師」と名乗ってはいけないだけです。調理師免許のない方が料理をすること自体は違法になりません。

ただ、調理師免許を持たない方の採用自体を行っていない飲食店もあります。規模の大きい飲食店は特にその傾向が高くなるようです。また、調理免許を持っていなければ店長や料理長などへの昇格ができない企業もあります。

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調理師免許を持っているメリット


調理師免許は、取得しておけば多数のメリットがあります。ひとつは就職や転職の際に有利な点です。調理師免許は料理に対して一定以上の知識・技術があることの証明になるためです。

調理師免許は自分で店を持つときにも役立ちます。資金面では、免許を持っているほうが金融機関の融資を受けやすくなります。正式な国家資格である調理師免許は、社会的な信頼性が高いためです。

また、調理師面免許を持っていると「食品衛生責任者資格」の講習会が免除されます。この資格は、飲食店を開業するとき、店に常駐する誰かが必ず取得しなければいけないものです。通常は都道府県が行う講習会に参加して資格を得ますが、調理師免許があれば、申請書を提出するだけで取得可能です。開業準備で忙しい時期に時間を取られず、受講料も発生しないのはメリットといえるでしょう。

調理師免許の取得方法

調理師免許を取得する方法はふたつあります。調理師専門学校に行く方法か2年以上の実務経験を積み、試験を受ける方法です。それぞれの方法について説明していきます。

調理師専門学校に行く

調理師資格を取得する第1のルートは 、調理師専門学校に行くことです。調理師専門学校に1年以上通うと、試験を受けなくても調理師資格を取得することができます。また、調理師資格を目指せる通信講座を受講することもできますが、 通信講座の場合は調理師資格を取得できません。通信講座は、あくまでも試験対策をすることができるだけであるという点に注意しましょう。

2年以上の実務経験を積み、試験を受ける

中学校卒業以上の方が飲食業界で2年以上の実務経験を経ると、調理師試験の受験資格が得られます。試験は各都道府県で行われますが、どこの都道府県で受験してもかまいません。

実務経験を積む場所は、調理法で決められている施設です。飲食店営業・魚介類販売業・そうざい製造業・給食施設などが該当します。この業態であっても、事務や接客、運搬、清掃など調理以外の業務に就いていた場合は、実務経験として認められません。ほかにも、外国の飲食店で働いていた場合や食品を開発する業務の一環で調理していた場合など、実務経験として認定されないパターンは複数あります。

正社員以外のパート・アルバイトも実務経験として加算されます。ただし、1日6時間以上・週4日以上の勤務時間でなければいけません。働きながら勉強するのは大変ですが、養成施設に通うのと違って学費がかかりません。調理の現場に早いうちから入って腕を磨けるのもメリットといえます。

専門調理師・調理技能士について

調理師資格よりも、さらに調理の高度な知識・経験が必要となる国家資格として「専門調理師・調理技能士」があります。「調理技術技能評価試験」を受けて合格すると、「専門調理師・調理技能士」の両方の資格が同時に得られることから、事実上ひとつの資格として取り扱われます。

調理技術技能評価試験では、「日本料理」「西洋料理」「麺料理」「中国料理」「すし料理」「給食用特殊料理」の分野別で行われます。実務経験のみの場合は8年以上、調理師養成施設で学んでいた人でも実務経験6年以上が受験資格として必要になり、調理師資格よりレベルは高めです。合格率は実技70%前後、学科50%前後で、平均60%前後とされています。

料理人は一生自己研鑽に励む職業ですから、より高みを目指したり、自分のお店を持ちたいと考えたりする場合には、挑戦してみてもいいでしょう。

飲食店開業する場合に必要な資格は『食品衛生責任者』

飲食店開業する場合、必ず必要なのは「食品衛生責任者」の資格です。この資格がないと保健所から発行される「営業許可証」を受けることができません。ご自身が取得するか、資格を持つ人を雇用する必要があります。

この資格を取得するには、衛生法規や公衆衛生学といった指定の講習を受講し、修了する必要があります。受講日程や管轄は地方によって異なりますから、地元の役所や自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。

ちなみに調理師面免許を持っていると「食品衛生責任者」資格の講習会が免除されます。

まとめ


いかがでしたでしょうか?今回は、「料理人に『調理師免許』は必要なのか?」について説明しました。

料理人になるために、調理師免許は必須ではありませんが、持っていることでさまざまなメリットがあります。特に、料理人としてのキャリアアップを目指す方は取得しておいたほうが良いでしょう。

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