ラーメン屋の開業を成功させる8つのポイントとは?
どんな飲食店にも、絶対に成功する条件というものは存在しませんが、閉店に繋がるリスクを抑えることは可能です。
今回は、ラーメン屋の開業を成功させるポイントについて解説していきます。
ラーメン屋開業の現実
新店のオープンは増加傾向、活気づいているかのように見える昨今のラーメン業界ですが、その陰でひっそりと店を閉めるラーメン屋も少なくありません。営業開始から1年以内に4割以上のラーメン屋が廃業するといわれています。
競合も多く、ラーメン屋の店舗は全国に約25,000件程度あります。ほかのラーメン屋と違う強みがないと、生き残るのはなかなか難しいのが現状です。しかし、ラーメン屋は開業する敷居が低く、比較的挑戦しやすいジャンルでもあります。もちろん、廃業しないためにはあらゆる工夫が必要になりますが、それはどの業界でも同じです。ラーメン屋の開業は、費用や準備の面でかかる労力が少ないことからも、これから飲食店の開業を考えている方にはおすすめの業種だといえます。
ラーメン屋の開業を成功させる8つのポイント
ここからは、ラーメン屋の開業を成功させる8つのポイントについてご紹介していきます。
1.ターゲットを明確にする
ラーメンはどのような層にも需要があります。しかし、誰がターゲットなのか看板やメニューから読み取れないラーメン屋だと、お店の前を通る客は入店をためらってしまい、利用してくれたお客さんの記憶にも残りづらく、リピーターの獲得に繋がらないかもしれません。お店のターゲットが絞れていれば、以下ターゲットに合わせたメニューや内装を考えることができます。
- 1名利用に特化してカウンター席を増やす
- ファミリー向けに、女性や小さいお子さんでも食べられるメニューを沢山用意する
- 学生向けに安い料金設定にする
2.市場調査を行う
ラーメン屋に限ったことではありませんが、開業をする際は土地の特徴や客層を調査し、具体的なニーズを把握することが重要です。たとえばビジネス街で営業する場合、お昼のランチを目的としたビジネスマンがメインの客層になるでしょう。お昼休憩の時間は限られているため、注文してから早くラーメンを提供してほしいというニーズがあることが予想できます。
一方、飲み屋街で営業する場合は、締めの一杯を目的とした方が多くなるでしょう。こういった客層は、深夜帯のような遅い時間でも営業してほしいと考えている方が多いため、営業時間を調整するといった形でニーズに応えることができます。
開業するエリアのニーズを徹底的に把握して需要が高いラーメン屋を目指すことで、売上の安定に繋がります。経営に失敗しないためにも、市場調査は綿密に行いましょう。
3.「ラーメン」の味を追求する
こんなにたくさんあるラーメン屋の中からお客さんに選んでもらうには、やはり商品である「ラーメン」が重要です。立地や接客なども大切だとは思いますが、やはりベースには「味」があります。
人通りが多くても全くお客さんの入っていないお店もあれば、人通りが少ないのに流行っているお店もあります。そんな場所でも食べに来られると言うことは、サービスレベルが高いというよりは、やはりその味を目的に食べに来られているのではないでしょうか。立地が多少悪くとも、美味しければお客様は足を運んで下さいます。
また、ラーメンの命であるスープは温度や季節、また作り手のコンディション一つで変わるものですが、日によってスープの味が違うというのは言語道断です。そしてそれはお客さんにも伝わります。安定した美味しいラーメンの味を提供するのは、ラーメン屋の絶対条件と言えるでしょう。
4.メニューの数を絞る
お店のメニューは沢山あるほど幅広いニーズに応えられるようになります。しかし、常連客のニーズに沿わないメニューを用意しても、お店のコンセプトがぶれてしまいます。
また、メニューの数が多いほど必要な食材が増えますので、食材のロスもその分増えてしまうというデメリットがあります。原価率や廃棄率、売上の傾向などから客のニーズをしっかり分析し、厳選したメニューだけを世に出す慎重さが重要です。
5.メニューに工夫を凝らす
料理が美味しいことは人気店の条件として言うまでもありませんが、メニューに工夫を凝らすことで、お客さんに来店のきっかけを提供することができます。ダイエットに効くと話題の食材で期間限定メニューを作ったり、SNSに投稿したくなるような目を引く盛り付けを考えたりするなどして、世の中のニーズをメニューに反映させてみても良いでしょう。
ただし、お店の雰囲気にそぐわないメニューを突然登場させても、一回限りで去ってしまう客しか呼べず、常連客まで遠ざけてしまいかねません。お店のコンセプトから逸脱しない範囲で、常連客にも喜んでもらえるメニューを用意することが大切です。
6.原価率を何度も見直す
原価とは、商品を一つ作るためにかかる費用のことで、販売価格に対する原価の割合を原価率と呼びます。お店のコンセプトにもよりますが、飲食店の原価率は約30%が相場と言われます。例えば、作るために材料代が200円かかるラーメンで、原価率を30%にするなら販売価格は600円、手元に入ってくる利益は400円となります。
しかし、原価は食材の仕入れ価格次第でいつでも変動し、利益分が突然少なくなることも十分あり得ます。従って、メニューの原価率は定期的に見直さなくてはなりません。原価率が当初よりも高くなってしまったメニューがあれば、低い原価率で提供できる新しいメニューを登場させ、マイナス分を取り返すことができます。
7.販促活動をおこなう
ラーメン屋の経営を安定させるために欠かせないのが、販促活動です。新規顧客を獲得するためには、チラシを活用して積極的に販促活動をおこなう必要があります。ポイントカードの導入やクーポン券の配布など、リピーターを獲得するための活動も忘れずに行いましょう。
ちなみに、チラシのように物理的な広告だけでなく、インターネットを活用した販促活動も効果的です。とくに、費用をかけずに店舗の宣伝ができるSNSは、多くの方が販促活動を目的として利用しています。まだSNSを活用していない方は、販促活動に使用するアカウントを開設しましょう。
8.資金計画
資金計画とはラーメン屋を開業するに必要な資金と開業後の運転資金面での計画のことです。
開業に必要な資金の内訳としては物件費用、内装工事費用、機器や備品、運転資金、採用費用、販促費などの費用が必要です。居抜きの物件での契約、機器・備品などを中古にする方法をとり、コストを抑えることは可能です。開業したいお店や資金的な制限がることを念頭に考えた上で、物件探しや事業計画作成を行来ましょう。
そして、用意した開業資金を開業前に使い切ってしまってはお店を継続することが出来ません。開業後の軌道に乗るまでの期間を計算し、運転資金を残しておきましょう。
まとめ
ラーメン屋は廃業率が高い業種ですが、専門資格の取得が必要なく、比較的参入しやすい業種でもあります。
もちろん、経営を安定させるのは大変ですが、ラーメン屋に限らず開業にリスクはつきものです。しっかりと準備をしておけば、どんな方にもチャンスがあるのがラーメン屋の魅力といえます。入念に計画を立てて最大限にリスクを減らしたうえで、ラーメン屋の経営を成功させましょう。