飲食店の「電気工事」について解説
飲食店を開業する際には、照明器具の取り付け場所に合わせた配線、壁のコンセントの場所など、店舗の使い方に合わせて発注する必要があります。また、エアコンや給排気のファン、大型厨房設備の専用配線も必要になることがあります。
そこで今回は、飲食店の「電気工事」について解説していきます。
飲食店の「電気工事」について
飲食店の「電気工事」は、造作が何もないスケルトンの場合、コンセントと照明器具の配線、エアコン、給排気ファン、大きい冷蔵庫などの動力の配線工事、引き込み工事となります。電気容量が足りない細い線の場合は、電気容量を増やすための幹線引き換え工事が必要になります。
幹線引き換え工事がなければ、15坪~20坪程度の飲食店の「電気工事」は、照明器具を除いて80万円~100万円程度です。居抜き物件であれば、照明器具を取り替える程度で済むため20万円程度になります。
電気工事は誰に頼むべきなのか?
電気工事を行う際には「電気工事士」の資格が必要です。依頼している業者の専門外だった場合には外部発注することになり、余分な費用がかかります。そのため、飲食店を新規オープンする場合には、内装工事と電気工事(設備工事)は各業者へそれぞれ依頼することをおすすめします。
理由として、以下のようなメリットが挙げられます。
- 工事費用を必要最低限に抑えられる
- 電気工事業者と直接話ができ、要望を伝える・説明を聞く機会が増える
- 工事終了後に「電気工事の詳しい説明がなかった」「電気容量が足りなかった」などのトラブルを防ぐ
コンセント増設のDIYはNG
コンセントを増設したいと考えたときに「簡単な工事なら業者を通さず、DIYでも出来るかも」と思う方は少なくないようです。上記で記述しましたが、知識のない個人がコンセントを増設するのは違法です。国に定められた「電気工事士法」などの法律により、電気工事は電気工事士等の資格がなければ一部の作業を除き行うことはできません(「電気工事士法」第3条)。コンセント増設は「第2種電気工事士」以上の国家資格が必須となります。
電気工事士法はどんな法律なのか?
「電気工事士法」とは、電気工事の欠陥による災害の発生の防止を目的に、1960年に作られた法律です。その後、時代に合わせて改正されています。
電気工事士法で定める「電気工事士等でなければ従事できない電気工事の作業」には、電源にまつわる工事が含まれています。有資格者以外がコンセントの増設(電気工事)をした場合は、電気工事士法第3条の規定に違反し、同法罰則3か月以下の懲役または3万円以下の罰金刑に該当するようです。仮に電源が増やせたとしても施工後に漏電する可能性もあります。感電、火災の原因になるため、有資格者以外によるコンセント増設は絶対にNGであることを認識しておきましょう。
また、電圧600V以下で使用する差込み接続器などを接続する工事をはじめ「電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(2次電圧が36V以下のものに限る)の2次側の配線工事」といった作業は、電気工事士等資格不要の「軽微な工事」に含まれていますが、電気に関わる工事は細部まで正確な作業が求められるため、プロに任せるのが安心です。
信頼できる電気工事業者の条件とは?
施工の仕上がりや工期などの品質だけでなく、アフターサービスの面でも信頼できる業者に依頼することは大切です。業者探しの条件として、以下の点が挙げられます。
- 電気工事士、そのた有資格者が在籍している
- 導入事例や確かな実務実績があり、経験豊富な作業者がわかる
- 電話での相談で依頼できない場合でもアドバイスをもらえる
- 下見時に業者の側から適切な電気工事を提案してくれる
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、飲食店の「電気工事」について解説しました。
今回お知らせした内容を参考に、飲食店の電気工事には電気工事法がからんできますので、専門家に依頼をするようにしましょう。