【飲食店】「お一人様専用」内装作りのポイントを解説
新型コロナ禍で大人数での食事が制限されている今、注目されつつあるのが「お一人様専用飲食店」です。コロナ以外でも、共働きや単身世帯の増加といった社会的な変化もあり、今後、おひとりさま向けの飲食店需要はよりいっそう高まる事が想定されます。
今回は、「お一人様専用」内装作りのポイントを解説していきます。
飲食店がおひとりさまを取り込むメリットとは？
おひとりさまが社会的に認知されてきたとはいえ、ひとりで外食するのは苦手だという声は相変わらず多いです。専門店化とまではいかないまでも、店側がおひとりさま歓迎を示すことで、客は自分のペースで食事ができます。では、飲食店にとって、おひとりさまを呼び込むメリットとは何でしょうか？
回転率が高い
複数人での来店では会話に夢中になって食事のスピードが遅くなりがちですが、おひとり様の場合はダラダラと飲食することが少ないです。サッと食べてサッと帰るのでいつまでも居座ることがなく、回転率が高い傾向があります。
リピート率が高い
リピーターの獲得は飲食店にとって重要なタスクですが、その点においてもおひとり様は優良な顧客となり得ます。いくらおひとり様のイメージが向上しているとはいえ、一人で食事しづらい飲食店というのは多数存在します。そのため、おひとり様は一度「開拓」した店には積極的に再来店する傾向にあります。また、イベント毎など期間を空けての再来店になりがちなグループ客に比べ、おひとり様が飲食店を利用するのは日常行動であることが多いです。リピートの間隔が短く、こまめに来店してくれるというのも重要な点でしょう。
客単価が高い
テーブル単価ではグループ客に及びませんが、客単価で見ればおひとり様の方が高くなる傾向があります。グループ客なら、サイドメニューは人数分より少なめに頼んでシェアすることがありますが、一人客ならば一人前で注文してもらえます。特に女性客は注文する品数が多い傾向があり、デザートの注文率も高いです。
「お一人様専用」内装作りのポイント
ここからは、「お一人様専用」内装作りのポイントについて説明していきます。
他人の視線が気にならない間仕切り席や半個室
おひとりさま専門店におすすめなのが、間仕切り席や半個室です。食事中に相席になったり、ほかのお客様と不用意に目が合ったりする心配もありません。もしすでに飲食店を経営していて、おひとりさま専門店にリニューアルを考えているのであれば、四人掛け席を板などで仕切るだけでも大丈夫です。
とはいえ、間仕切り席や半個室は、どうしても狭く圧迫感を感じてしまうことも。その場合、効率は多少落ちるかもしれませんが、出来る限り一人分のスペースを多くとるようにしましょう。ゆったりしたカウンター席があれば、お客様も「おひとりさま歓迎」の雰囲気を感じることができ、お店に入りやすいと感じます。
店員との接触も少ないタッチパネルでの注文の導入
人目を気にすることなく、マイペースに楽しみたいおひとりさまに人気なのが、「タッチパネル」での注文です。一人なのに、何度も店員を呼び留めるのは気が引けるという心理もあるのかもしれません。スタッフの業務効率化にもつながるので、ぜひ導入してみてはいかがでしょう。
スマートフォンの充電を気にせず過ごせるコンセントを準備
一人で過ごすとなると、つい見てしまうのがスマートフォンです。そのため喜ばれるのが、コンセント付きの座席です。スマートフォンの充電はもちろん、ビジネスマンであればちょっとパソコンを開いて作業をしたいという人にとっても嬉しいポイントに。「コンセントがあるからあの店へ」と考える人もいるので、お客様が自由に使えるコンセントを席ごとに用意するのもおすすめです。
「お一人様専用」ではないが、「おひとりさま」に喜ばれる内装とは？
おひとりさま専門店にするのは難しいけれど、おひとりさま客に喜ばれるお店づくりをしたいというオーナーもいることでしょう。
まず用意したいのは、やはりカウンター席。カウンター席が外から見えるだけで、「一人でも入りやすい」と感じます。また、テーブル席は配置に注意を。団体客に囲まれるように一人でいるのは、非常に居心地が悪いものです。四人掛けテーブルで挟むように、一人客用の小さなテーブルを配置するのはNGです。団体客とおひとりさまは離れて座るように席を離しておきましょう。
まとめ
「一人客」ときくと、団体客に比べて効率が悪そうと考える人もいるかもしれません。しかし、おひとりさまの場合は、さっと食べてさっと帰る人が多く、回転率が高いのが特徴。またマナーが良い人が多いといったメリットもあります。
以前は、一人の食事と言うとマイナスなイメージがありましたが、最近では、自分時間を大切にする自立した大人の楽しみ方のひとつとしてとらえられる風潮もあります。今、注目されつつあるおひとりさま専用飲食店、時代のニーズに合わせたスタイルを取り入れてみてはいかがでしょうか。
