【飲食店】顧客の幅を広げる為にカクテルをメニューに入れよう!カクテルの基本について解説
以前、飲み会の乾杯と言えばビールが定番でしたが、今は、ハイボールやサワー、カクテルとさまざなま酒類で乾杯をしています。カクテルはビールなどに比べて原価を抑えて作ることができ、飲食店側にとってもメリットの多いドリンクメニューです。カクテルメニューを入れていくことが今後は必要だと言えます。
今回は、カクテルの基本について解説していきます。
そもそもカクテルとは?
カクテルはもともとアメリカで創作されました。ジン、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラムなどの蒸留酒、シャンパン、シェリー、ベルモットなどの醸造酒をベースに苦み剤(ビタース) 、シロップ、ジュースなどをレシピに合わせて混ぜ、それを攪拌して作るものです。
つまり、上の条件さえ整えばすべて「カクテル」になるため、オリジナルメニューが比較的簡単に作れます。その結果現在、名前が知られているカクテルだけでも3000種をこえるといわれています。
カクテルの基本バランス
カクテルは、ベースとなるお酒に別の種類のお酒やジュースなど複数の素材を組み合わせたレシピと、それをミックスさせる技術によって成り立っています。
その味わいのベースとなるのは「酒・甘味・酸味」の3つの要素です。実際、定番のカクテルはその3つの要素をしっかりと踏襲したレシピになっています。ベースとなるアルコール度数の高いお酒にレモンやライムをはじめとしたジュースなどとミックスされることが多いですが、シンプルな要素ゆえに絶妙なバランス加減が求められます。
カクテルの種類とそれぞれの特徴について
カクテルは大きく分けて「ショートカクテル」と「ロングカクテル」の2種類に分かれます。
アルコール度数も高めな「ショートカクテル」
ショートカクテルはカクテルグラスなどに注がれるカクテルで、一般的にはアルコール度数が高いお酒が多いです。氷を入れたシェーカーで一気に冷やしながらつくり、グラスには氷が入らないことが多いため、飲む側も温まってしまわないうちに素早く飲むことが求められます。パンチの強いカクテルが味わいたい時には、ショートカクテルがおすすめです。
シェーカーで振らず、グラスで飲む「ロングカクテル」
ロングカクテルは氷の入った大きめのグラスに入れて提供されることが多く、適温を長く維持できるので、ある程度長い時間をかけて楽しめるカクテルです。ベースになる洋酒をソーダ水やジンジャーエール、ジュースなどで割って提供されるものが多く、比較的アルコール度数が低めのものが多い傾向にあります。ある程度、時間をかけて飲んでもいいものがほしい時には、ロングカクテルを注文するといいでしょう。
カクテルベースの種類
カクテルは、ベースの種類によって、味や風味が決まります。ここでは定番のベースをご紹介します。
ウォッカ
ウォッカはライ麦や大麦、トウモロコシなどを原料にしたお酒です。原酒を活性炭でろ過しているため、クセがなく、クリアな味わいになります。爽やかな香りがカクテルにもよく合います。アルコール度数は高いものの、果汁などと混ぜて飲みやすくしたカクテルが多いです。代表的なカクテルはモスコミュール、スクリュードライバー、ソルティドッグなどです。
ジン
ジンは大麦の麦芽や、トウモロコシなどの穀物を原料にした蒸留酒に、薬草類を加えて再蒸留したお酒です。使われる薬草類はさまざまな種類があり、メーカーごとに独自の香りや、風味を持つジンが販売されています。ジンを使ったカクテルは口あたりが良く飲みやすいため、お酒を飲みなれていない方におすすめです。代表的なカクテルはジントニック、マティーニ、ギムレットなどです。
ラム
ラムはサトウキビを原料にした蒸留酒です。砂糖の原料であるサトウキビで造られているだけに、甘味があります。甘い香りで飲みやすいカクテルになるので、女性に人気です。代表的なカクテルは、モヒート、ダイキリなどです。
リキュール
リキュールは蒸留酒に果実やハーブなどを加えた混成酒です。もともと香りや果実の味わいが付いているため、簡単にカクテルが作れます。その種類は非常に多いです。有名リキュールはクレーム・ド・カシス、カンパリ、イエガーマイスター、カルーア、マリブなどです。
テキーラ
メキシコ原産のアガベという植物を原料とした蒸留酒です。アガベは竜舌蘭(リュウゼツラン)とも呼ばれ、アロエと同じ多肉植物に分類されますショットで飲むイメージが強いですが、カクテルのベースとしても人気。マルガリータやコンチータなどアルコール度数強めのカクテルが多く、南国らしい豊かな香りのカクテルができあがります。
ウイスキー
ウイスキーは水割りやロックが一般的な飲み方ですが、カクテルのベースとしても多く使われています。ウイスキーベースで一番有名なカクテルといえば、ハイボール。他にも、マンハッタン、ゴッドファーザーなどがあります。
ワイン
ワインは、赤ワイン、白ワイン、スパークリングワイン、ロゼワインなど、種類ごとに多くのカクテルが存在します。ワインのフルーティーな味わいを活かしたカクテルが多く、ワインの渋みが苦手という人におすすめです。有名なワインカクテルは、キティ、キール、ミモザなどです。
ブランデー
ブランデーのスタンダードな飲み方はストレートですが、カクテルのベースにも使われています。アレキサンダー、サイドカーが有名です。芳醇な香りのカクテルができあがるため、味わいとともに香りも楽しみたい人におすすめです。
ビールベース
ビールは、ジンジャエールやトマトジュースなど、身近にある飲み物と合わせて手軽にカクテルにできます。アルコール度数が低いカクテルが飲みたい人におすすめ。代表的なカクテルは、シャンディガフ、レッドアイです。
カクテルを作る為に最低限必要な道具
ロングカクテル、ショートカクテルを作るために最低限必要な道具を今回ご紹介します。必要な道具としては以下5点あります。
- バースプーン
- シェイカー
- ミキシンググラス
- ストレーナー
- ジガ―
こちらの道具とお酒、グラスがあればカクテルは作れます。それぞれの用途についてご紹介します。
バースプーン
一般的なバースプーンになります。持ち手の部分が長い物から短いものまであり、使用者に分けて使います。基本的に、カクテルを混ぜる道具になります。また、グラスに入ったライム、レモンを取り除く際や、飾りつけの際にも使えます。
シェイカー
カクテルを混ぜる道具になります。名前の通り、カクテルを注ぎ、振って中のカクテルを混ぜることができます。
ミキシンググラス
シェイカーと同様、カクテルを混ぜる器具になります。こちらは作るカクテルに合わせてシェイカーと使い分けて使うといった感じです。例えば、マティーニ、マンハッタンのようなショートカクテルはシェイカーで作るのが一般的ですが、スプモーニなどのビルド製法で作るカクテルはこちらを使って仕上げます。
ストレーナー
上記でご紹介したミキシンググラスなどとセットで使う道具です。中の氷、オレンジなどを通さず、液体だけコップに注ぐ際に使います。
ジガ―
カクテルに使う材料の量を図るための道具になります。30mⅼ、45mⅼといった指標がレシピによく使うので一般的に2つ図れるものが多いです。
カクテルレシピ導入時の注意点
カクテル導入時には以下の点は注意しましょう。
カクテルレシピは徹底する
カクテルは原価が低いですが、うっかり見逃していると入れる氷が少なくなってベースの酒が増えていたりと原価が上がりやすいドリンクでもあります。したがって、「グラスはこれを使う」「氷は8個入れる」「酒は絶対に量っていれる」などレシピを徹底させましょう。
日本酒カクテルは名前を工夫する
定番カクテルは名前の工夫の使用がありませんが、日本酒カクテルはまだ知られていません。ですから、インパクトのある名前を工夫して注文率を上げましょう。
試飲する
1度はすべてそのままで作って味を確認してください。もっとアルコールが強めの方がいい客層や、女性客が多いので甘めにした方がいいなどの工夫の余地はありますから、店舗に合うように修正しましょう。
ステアは静かに行う
基本的にロングカクテルは材料をステアしますが、ガチャガチャと乱暴にかき混ぜるのはNGです。静かに3~4回バースプーンを回す程度で十分です。
日本酒は吟醸酒を
ベースになる酒は、ジンならどのようなジンでも大丈夫ですが、日本酒カクテルだけは吟醸酒にしましょう。純米酒はそれだけで飲めば美味しいですが、酒のうま味が残っているためカクテルにすると味がバッティングします。吟醸酒であれば、純米吟醸酒でも醸造用アルコールを添加した吟醸酒でもOKです。もちろん大吟醸酒でもいいのですが、それは原価が高くなるのでやめておいた方がよいでしょう。
まとめ
カクテルはお酒の魅力を再発見できる飲み物です。定番のカクテルを試したら、自分好みにアレンジしてオリジナルのカクテルを作る事もおすすめです。いろいろなカクテルメニューで店舗の顧客層を広げてみましょう。