内装業者選定ポイントを解説
飲食店開業における内装工事費用は投資コストで大きな部分を占めます。内装工事業者を選ぶにあたって、最低限の知識がないと何百万という大きな損になってしまうこともあります。
今回は、飲食店開業における内装業者選定のポイントを解説します。
内装業者の種類について
内装業者は、業種毎、業務内容や得意分野や価格帯などがそれぞれ異なります。物件の規模・業種・施工内容・価格などにより、適切な内装会社を選ぶべきです。
主に、店舗内装・デザインの業者は、主に3種に分類されます。
デザイン専門の設計事務所
デザイン及び設計業務のみを行います。設計と施工を切り分けています。設計し(デザイナー)が所属し、デザインを起こし図面をつくります。その図面をもとに施工会社が工事のみを行います。
設計会社と施工会社が別になるので、設計が完了してから施工業者の選定・見積もりをする必要があり、設計・施工を一括で依頼した場合と比べ、工事完了までの期間がかかります。デザイン性のある提案に対する付加価値が発生するため、工事とは別に設計費やデザイン費が必要となります。
設計と施工を行う内装会社
自社で設計から施工までを行います。自社で職人を抱えていない場合は下請けや職人へ依頼するため、工務店へ直接依頼するより費用がかかります。設計・施工を一括して行うため、設計から工事までの流れがスムーズに行われ、工事完了までの期間が短くなるため、早く開業することができます。
施工メインの内装会社(工務店など含む)
デザインや提案に力を入れておらずデザイナーなども抱えていません。発注オーナー自身が、依頼前にどのような工事をするか明確にしておく必要があります。直接の依頼になるため、価格を抑えることができます。
はじめての飲食店出店であれば、設計から施工までを一貫して行える内装会社をお勧めします。相談窓口が1つのため、手間がかからずトラブルが起きにくいのです。また、その中でも飲食店・オフィス・アパレルなど、それぞれ会社によって得意分野があります。内装会社のホームページで施工実績も確認して、選定されることをお勧め致します。
内装業者の探し方
そして、内装業者を探す方法としては下記3つになります。
友人・知人からの紹介
自分自身の繋がりから紹介を受ける方法です。仕事ぶりを知っているからこその紹介であれば品質はある程度保証されますし、良好な関係を築きやすいというメリットがあります。
ただし相見積もりがしにくかったり、気を遣う場面は出てくるかもしれません。トラブルが起きた時に強く言いにくい可能性もあります。ただ、知人との関係もあるのでトラブルが起きにくいという側面もあります。
気に入った飲食店舗のオーナーからの紹介
多店舗の調査をしていて、気に入った店舗に直談判して、業者を紹介してもらうのも一つの手です。確実な実績がありますし、自分のイメージを伝えやすいというメリットがあります。
インターネットや雑誌などで探す
多くの場合はこの方法かもしれません。インターネットで近隣の事務所を探したり、雑誌などで気になる業者を見つけて問い合わせる方法です。また、マッチングサービスなども増えているので利用してみるのもよいでしょう。かなり手間がかかり大変ではありますが、満足のいくパートナーを探せる可能性は無限大です。
内装会社を正しく選ぶポイント
飲食店の立ち上げにおいて内装業者はとても大事なので、しっかりと納得いくまで探しましょう。内装会社を正しく選ぶポイントとしては主に4つあります。
得意分野や過去の実績
未経験の場合、飲食店の営業に関する各種許認可の認識がないまま工事してしまうと法的に営業できない内装になってしまう可能性がありますので要注意です。
飲食店に強い、オフィスに強い、アパレルに強いなど、内装会社によって得意な分野があります。ホームページなどで施工写真や実績などを確認しましょう。とくに飲食店は水光熱などのインフラ基礎設備が重要なため、許可申請なども含め設備の専門知識が必要となります。このように、リスクを減らすには、飲食店の施工経験豊富な会社に依頼することが一番です。
設計・施工事例を見る
内装会社には中小企業も多く、ウェブサイトに施工実績を写真でアピールするまで手が回っていない企業もあります。更新頻度が低いからといって、店舗の受注経験が少なく人気がない会社とは限りません。施工の内容が良く、紹介メインで仕事を受けている会社もあります。
複数の内装業者に相見積もりをとる
どんなに施工実績やデザイン性が優れた案件を行っていても、価格が合わなければ発注できません。3社程度、相見積もりを取って選ぶようにしましょう。
但し、見積もりを取る際には、価格だけでは判断することは止めましょう。価格が安価なことも大事ですが、担当者の対応、追加で発生する費用に可能性、設計案は自分の意図を組んだものかなどが確認ポイントです。
意思疎通が取れる業者
理想の内装のデザインや店舗のコンセプトを伝えて、しっかりと理解して施工してくれる業者だと自分の理想を超えるアイデアを出してくれたりとクオリティが上がります。
内装業者に依頼した時の費用相場
一般的に内装、外装工事費、厨房機材費など飲食店作りでかかる費用は1坪あたり30万円から80万円位が相場と言われています。但し、これはあくまでも相場で、「居抜き物件」と「スケルトン物件」という募集物件の種類や業態によって違うので業者に見積もりを取るしかないのです。
そして施工する業者によっても費用が変わってきますので、前述の選ぶポイントでもお知らせした、1社の見積もり金額で決めず、上記の内装業社を選ぶ時のコツを踏まえつつ必ず最低3社程度は相見積もりを取りましょう。
内装工事の流れと期間
内装工事の流れは、「内外装案考案」「内装業者選定・決定」「内外装 工事着工」「工事完了」という流れになります。
(参考記事)内外装工事の流れについて
そして、工事開始から工事完了までの期間は約1ヶ月~2ヶ月程度はかかります。居抜き物件で看板と簡単な設備入れ替えであればもっと短いですし、逆に居抜き物件で解体する部分が多く、凝った内装デザインや発注期間のかかる造作物をレイアウトする場合はもっと長くなりますので注意しましょう。こちらも費用同様に見積もり時や打ち合わせ時に必ず各業者に工期の確認をしましょう。
まとめ
- 内装業者は3種類(デザイン専門の設計事務所、設計と施工を行う内装会社、施工メインの内装会社(工務店など含む))
- はじめての飲食店出店であれば、「設計から施工までを一貫して行える内装会社」がお勧め。
- 3社程度、相見積もりをとる。但し価格だけでは決めず、担当者の対応や設計案は意図を組んだものかを確認する。
- 内装工事の流れは、「内外装案考案」「内装業者選定・決定」「内外装 工事着工」「工事完了」
- 工事開始から工事完了までの期間は約1ヶ月~2ヶ月程度。
大前提として、飲食店のデザイン、設計や施工経験の豊富な業者を探しましょう。未経験の場合、飲食店の営業に関する各種許認可の認識がないまま工事してしまうと法的に営業できない内装になってしまう可能性がありますので要注意です。
初めての飲食店開業の場合、ほとんどの方が、内装業者に依頼することも初めてになるかと思います。今までお知らせたポイントを踏まえて、自分の予算とやりたいことを把握し、適切な内装業者を見極めましょう。