古民家カフェの開業の流れについて解説
風情ある古民家を改修してカフェとして再利用する古民家カフェは、おしゃれな内装や居心地の良さが人気です。そんな古民家カフェですが、開業して成功させるにはどのような流れを知る必要があり費用はどの程度かかるのかを事前に知っておく必要があります。
今回は、古民家カフェの開業の流れについて解説していきます。
古民家カフェの開業の流れについて
古民家カフェを開業させるには、開業にあたり何が必要になるのか、どのような流れなのかを理解しておく必要があります。民家カフェの開業の流れについて説明します。
コンセプトを決める
古民家カフェに限らずカフェなどの飲食店はコンセプトが重要であり、そのコンセプトによって成功が決まると言っても過言ではありません。ターゲットを若い女性にするのであれば若い女性が集まる立地が重要ですし、地域密着型で活性化を目指すのであれば、そのような地域を視野に入れる必要があります。
資金の算段と資金確保をしておく
カフェを開業する際、敷金、礼金、仲介手数料、家賃の他、厨房機器も揃えなければなりません。厨房機器や設備の導入に300万円程度必要で、リフォームには600万円から1,000万円が必要です。どの程度リフォームをするのか、業者に依頼するのか自力で改修するのかによっても大きく費用は変動します。余裕をもって、1,000万円程度の初期費用を用意しておきたいところです。
上記はあくまでも想定の数字ですので、自店舗に合わせた事業計画書をあらかじめ作っておきましょう。そして自己資金だけでは足りない場合、資金調達の準備も早くからしておくことが重要です。資金調達方法については後述でお知らせします。
カフェ開業に必要な資格を取得しておく
古民家カフェというのは飲食店ですので、飲食店を開業するのに必要な資格をあらかじめ取得しておく必要があります。
古民家カフェを経営するための必須資格は「食品衛生責任者」であり、最低一人は店舗に資格所有者を置く必要があります。また、30人以上を収容できる広い店舗の場合はさらに「防火管理者」の資格が必要になります。資格が無かったでは済まされませんので、必要に応じて資格取得について調べ、早めに対応しておくのが良いでしょう。
どの地域で開業するのかを絞り込む
古民家カフェは新築のカフェではありませんので、古民家カフェにふさわしい空き家を探す必要があります。場所は首都圏なのか?関東近県なのか?それとも地方なのか?どのあたりで古民家カフェをオープンしたいか?という目的をハッキリさせておくことが大切です。
また、首都圏だから集客できる、地方は集客が大変といったことは一概には言えません。カフェをオープンさせ軌道に乗せるにはコンセプトが大切ですので、明確なコンセプトを打ち出すことができれば、地方であろうと集客は問題ありません。
古民家カフェをオープンさせる空き家を探す
どのあたりで古民家カフェをオープンしたいか?目的がハッキリしたら、実際に古民家の空き家を探す作業に入ります。オープンさせたい地域の不動産屋へ出向き様々な情報をもらいながら探していくのが良いでしょう。もしすでにオープンされている古民家カフェが近くにあれば、そちらのオーナーに挨拶がてら情報を聞いてみるのも良いでしょう。既にオープンされている方は古民家カフェをオープンさせたいという気持ちがわかりますので、相談に乗ってくれることがあるものです。
そして色々と行動した結果、これはと思う物件を探しだしたら不動産屋との賃貸契約、リフォーム業者との交渉に入ります。また、賃貸契約したのが飲食店の居抜き物件であれば、状況によっては大規模な改装は必要なく開業資金を抑えることができます。
開業に必要な申請をおこなう
いざ古民家カフェの開業が決まったら、今度は各市役所や税務署に開業するにあたっての申請が必要になります。
食品を取り扱う店舗においては保健所の許可が無ければ営業をおこなうことができませんので、まずは保健所への申請が必要です。そして、税務署には営業を開始するために「開廃業届」が必要になりますし、店舗がある自治体へは「事業開始等申告書」を提出しなければなりません。これらの申請は必須であり、申請をおこなわず営業してしまうと税金に関しての控除が受けられなくなったり最悪は営業停止となりますので、十分注意しておきましょう。
カフェに必要な器具や備品などを揃える
古民家カフェ開業にあたり必要な器具やを一通り揃えておく必要があります。飲み物を入れたり食べ物を乗せるカップやお皿はもちろん、コーヒーメーカーやジューサー、各種調理器具、冷蔵庫など。
また、レジ用品やオーダー用紙、金庫や電卓、空調機器や音響設備、場合によってはセキュリティシステムなどがあります。全部が全部必要ではない場合もあるので、店舗としてのコンセプトや店内の状況などによって揃えていくことが大切です。
古民家専門の不動産業者やサイトを利用しよう!
昨今の古民家ブームを受け、各地に古民家専門の不動産業者があり、利用することができます。また、古民家を移築再生して開業したい向きには、「日本民家再生協会(JMRA)」が運営する『民家バンク』のウェブサイトを訪れてみるとよいでしょう。
「日本民家再生協会(JMRA)」では、古民家を譲りたいオーナーと、古民家を移築再生して利用したい希望者を結びつける活動をしています。希望者は、協会への情報料と解体・運搬の費用を負担するだけで、建物は原則無償で入手できます。また協会では、古民家のリフォームになくてはならない古材・古道具・古民具のストックや販売事業も行っています。
古民家リフォーム全般については、「全国不動産相談センター」への相談をおすすめします。古民家の活用だけでなく、不動産に関するあらゆる相談を、公平中立な立場で、無償で応じています。
開業資金をどこから調達すればいいのか?
開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。
一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。
創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。
信用保証付の融資
「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。
手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。
親族、友人・知人からの借入
親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。
その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。
まとめ
居心地がよくおしゃれでゆったりとした時間を過ごせる古民家カフェは人気のカフェの一つです。同じような古民家カフェに埋もれてしまわないように、オリジナリティを出すことも大切です。リフォーム内容や厨房機器、設備でしっかり初期費用を抑え、開業後もスムーズに営業を続けられるようにしましょう。