飲食業を移動販売で行うメリットとは?
移動販売といえば「飲食関連」が代表的です。飲食系移動販売で、主に該当される店舗には、お弁当屋・クレープ屋・焼鳥屋・たこ焼き屋・焼き芋屋などが挙げられます。
そこで今回は、飲食業を移動販売で行うメリットについて解説していきます。
移動販売の開業について
よく街中で移動販売をよく見かけるようになりました。クレープ屋やケバブ、お弁当屋などが代表的でしょうか。不動産契約が不要の移動販売は、開業費用が低そうなイメージがありますが、具体的にどうしたらいいのか手順がわからず、悩む人も多いのが現実です。
まず移動販売は販売場所の確保が重要です。移動販売はどこでもできる訳ではありません。許可を取り、必要な場合は出店手数料を支払って初めて販売が可能になります。各自治体によって必要書類などが変わってきますので、自治体のホームページをチェックし、問合せをしてみましょう。
また移動販売を始める前には、保健所の許可が必要です。食品を売る移動販売車の場合は、販売の種類により必要な許可が異なりますので、出店地域の保健所に事前に確認しておきましょう。そして許可申請には保健所1か所につき1.5~2万円ほどの手数料がかかります。例えば、東京と神奈川の2箇所で営業する場合は、2箇所でそれぞれ許可申請を行う必要があります。なお、食品だけでなくすべての移動販売では、改造車で移動する場合「道路運送車両法」という法律により自動車検査法人で「構造変更検査」を受け、8ナンバーを交付してもらわなければいけません。
最後に開業してから2か月以内に「開業届」という書類を法務局に提出する必要があります。開業届はあなたが事業を始める場所を管轄する税務署(1カ所のみ)で提出すれば大丈夫です。移動販売事業で生活できるほどの収益を見込めるなら、青色申告で申請した方が節税することができます。
(参考記事)『移動販売』で開業を始める際に必要な事とは?
今、移動販売の需要が増えている理由とは?
現在の新型コロナウイルス感染症拡大により、3密を避けたテイクアウトのニーズが拡大しています。
移動しながらテイクアウト販売を行うキッチンカーも、感染リスクを軽減しつつ美味しい料理を購入できる店として注目を集めています。車内で調理ができるキッチンカーは、固定店舗と同じようにできたてを提供できるのもポイントです。お店の味を気軽に楽しんでもらえます。
また最近では、従来キッチンカーの出店が目立っていたオフィス街や商業施設だけでなく、コロナ禍の巣ごもり需要に対応して、住宅街やマンションなどへの出店が増加。自治体のなかには、飲食店の少ないエリアに対する誘致を行ったり、業態転換に対する助成金を設けたりしているところもあり、新規参入がしやすくなっています。
移動販売のメリットとは?
ここからは、移動販売のメリットはどんな点にあるのか説明していきます。
開店資金のコストが安く抑えられる
移動販売のメリットとしてまず挙げられるのが、開業資金が店舗に比べて安く抑えることができる点です。
実店舗を構えようとすると、人の集まる土地や物件では家賃が高く、なかなか気軽に始められるものではありません。しかし、移動販売の場合はキッチンカーなどの販売用の車を用意、改装するだけで店舗の土台を作ることができるため、店舗開業のおよそ半分程度の資金で開業できることも珍しくはありません(※)。
※業態によって店舗設備などに違いがあります。飲食業の場合は、移動販売車とは別に「仕込み場所」が必要となる場合が多いので注意しましょう。
販売する場所を自由に変えられる
販売する場所を自由に選ぶことができるのは移動販売の大きなメリットです。人の流れは時代とともに流動的になり、その勢いは加速しているとも取れますが、移動販売は地域や場所にとらわれず商売に集中することができるため、そんな素早い流行にも惑わされず、人の集まるところへいつでも出店できるのは魅力的です。
短期的なイベントにも対応できる
場所を自由に選ぶことができるということは、人の集まる催事イベントにも簡単に出店できるというメリットもあります。
店舗を構えてしまうと、イベントに参加したくても、いちいちイベントのための準備をする必要が生じてしまいますが、元から移動が前提のキッチンカーであれば、わざわざ手間をかける必要も無くなるのです。大きなお金が動くイベントにスムーズに参加できるのは、飲食業を扱う上では大きなメリットと言えるでしょう。
移動販売の営業場所の決め方
キッチンカーの営業許可が下りれば、次は営業場所の確保となります。
営業場所の確保の仕方については、2つのパターンがあります。出店場所を斡旋してくれる業者を利用する方法と、自分で開拓する方法です。
斡旋業者に販売スペースを紹介してもらう
移動販売スペースの斡旋業者には、以下のようなところがあります。
・ Mellow(メロー)
・ネオ屋台村
・自由市場
業者を使う最大のメリットは、個人では出店できないような大型イベントや、売上が確実に見込めるオフィス街などに出店できることです。その一方で、場所代が発生します。この額はさまざまですが、売上を案分する場合、15%前後のところが多いようです。
営業場所を自分で探す
自分で出店場所を確保する場合、毎日行き当たりばったりで場所を探すのでは不安です。場所を決めてチラシを配り、固定客がつくような営業スタイルを目指します。
日中空いている車庫や月極駐車場を借りるのが一般的ですが、キッチンカーでの営業を認めていないところもあるので注意が必要です。
一か所に毎日出店する方法もありますが、他の移動販売車と協力して、日替わりで移動販売車が来る場所とする方法もあります。この場合、駐車場代は出店者で分担します。
まとめ
今回は、移動販売のメリットを中心にお伝えしましたが、天候の影響を受けやすい点や、リピーターが付きにくい点など、少なからずデメリットもあります。しかし上手く利用することで、コロナ禍での売上確保や既存の固定店舗への誘導など、さまざまなメリットが得られる業態でもあります。今後もますます注目を集める業態となりそうです。