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定食屋での開業について~必要手続き・資格や開業資金など~


定食屋を開こうと考えたら、手続き・資格のことや開業資金のこと、経営のことなどについても知っておかなければいけません。

そこで今回は、定食屋での開業について解説していきます。

定食屋の開業に必要な資格と許可

定食屋をオープンするためには、食品営業許可を取らなければいけません。これは、お店を管轄する保健所で取得するものです。許可を受けるためには、要件に合致する内装デザインを行うことや、食品衛生責任者を設置することなどが必要です。

さらに、30人以上を収容できる店舗や建物には、防火管理責任者の設置も義務づけられています。該当する場合は、所轄の消防署に防火管理責任者選任届を提出しましょう。防火管理責任者には乙種と甲種の2種類があり、管理できる店舗の面積が異なります。どちらも講習会の受講で資格を得ることができます。

その他、個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。

定食屋業態 開業タイプ

大衆店

従来の個人経営の店舗で行われてきた、比較的安価に料理を提供する定食店です。近隣サラリーマンや学生などを主なターゲットとしており、男性客を意識して、多めな盛付けを打ち出している店も多いです。

メニューについては、「焼き魚定食」や「野菜炒め定食」など家庭料理を再現した品揃えのメニューが一般的になります。料理は、ご飯、味噌汁、主菜、小皿・小鉢で構成されるものが多いです。しかし、これだけでは高い客単価を望めないので、夜は酒類の需要も取り込むべく、定食とは別に単品料理を用意する必要があるでしょう。

高付加価値型店

健康を気遣う女性や中高年齢層をターゲットとした定食店です。食材を厳選し、調理法やセット内容にもこだわった料理を提供します。また、女性を意識して、デザートメニューを充実させている店もあります。客単価は大衆店よりもやや高めですが、内装にこだわるとともに、清潔感をアピールしています。

メニューについては、手の込んだ料理や、良い食材を使っていることをPRし提供することで、客単価アップを図っている店が多いです。また、飽きられないように、季節感のある限定メニューを開発してお店も多いです。

郊外型店

郊外のロードサイドに30~40坪の食堂を設置して定食を提供する業態です。車で来店する個人客やファミリー層をターゲットとしているため、広めの駐車場と飲食スペースを必要とします。バイキング形式で自由におかずを選んで取れる形態をとっている店もあります。

メニューについては、多品種、大量のメニューを取り揃える必要があります。おかずは、焼き物、煮物、炒め物、揚げ物、小鉢各種に加え、カレー・丼物、麺類に至るまで、幅広い顧客のニーズに応えられる品揃えが求められます。

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開業資金の目安

開業資金は豊富であるに越したことはありません。最初に豊富な資金が用意できていれば、その後の経営もスムーズに進められます。用意したい資金額の目安として、500~1,000万程度の開業資金として用意しておきましょう。

この金額には、物件を借りるための費用や内装工事費用、キッチン設備や家具類などの購入費用、広告宣伝費、材料費やメニュー作成費といった運転資金などが含まれます。
 

◇開業にかかる費用項目
  • 物件費用
  • 内装/外装費用
  • 厨房設備費用
  • 客席の設備費用
  • 調理器具等の費用
  • 材料費
  • 広告宣伝費    など

開業資金をどこから調達すればいいのか?

開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

信用保証付の融資

「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

親族、友人・知人からの借入

親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

競合が多い定食屋を経営していく為には

定食屋は競合が多いため、お店を繁盛させるためには勢いだけで開業するのではなく、開業前から開業後まで色々と検討していく必要があります。

立地のよい物件

定食屋を成功させるためには、立地のよい物件を選ぶことが重要です。どんなによい料理を提供していても、人の目の付かない場所にあると訪れにくくなってしまいます。また、駐車場がない、車の通りにくい細い道にあるといったこともマイナスに働くので、注意が必要でしょう。

ターゲットを絞ったうえでお店のコンセプトを決める

定食屋を成功させるためには、お店のコンセプトを明確にすることが大切です。ただし、店主の独りよがりなコンセプトでは、成功に繋がりません。お店を繁盛させることを目指すのであれば、どのようなお客様をターゲットにするのかを決めたうえでコンセプトを考え、お客様のニーズに的確に応えるお店作りをしていきましょう。

メニュー選び

開業する地域のランチの時間帯に、どの年齢層のお客さんが多いかを事前に調べてメニューを決定するのが大切です。年齢層が高めなら塩分や糖分を控えたメニューも用意しておきたいですし、年齢層が低めなら量にこだわったメニューを用意しておきたいものです。

回転率

定食屋の特色は、家庭料理を外でも美味しくいただけることです。そのため、下ごしらえをして冷凍保存をしておくなどの工夫をして、なるべく時間を省くようにしましょう。そのようにして、回転率を上げることを意識すれば、売り上げを伸ばすことができます。

まとめ


定食屋は競合が多い為、その人(店舗)にしかない「個性」を作る事が重要です。個性をいかしたメニュー作りと内装に十分手をかけることをおすすめします。

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