【飲食店】看板の役割と設置方法について
飲食店開業する際には、お店の顔となる看板は必要不可欠なものです。看板の役割は大変重要で、認知拡大、集客という側面があり、お店の顔でもあります。
今回は、飲食店における看板の役割と設置方法について解説していきます。
飲食店における看板の役割とは
飲食店における看板には、大きくふたつの役割があります。
まずひとつは、お店の存在をお客さまに認知してもらい、来店につなげる役割です。難しくて読めない看板やよく見ないと飲食店と分からない看板は、この役割を果たせないです。
ふたつめは、お店のコンセプトや看板メニューをアピールする、販促ツールとしての役割です。看板には店名だけでなく、お店の得意とする料理ジャンルやサービスの特徴、日替わり・週替わりメニューやランチの内容など、さまざまな情報を盛り込むことができます。そのため、顧客のニーズとすり合わせがしやすく、集客効果が期待できます。
看板の種類
看板には、壁面に取り付けるもの、路上に置くものなど、いろいろなタイプがあります。看板ではないけれど、看板のような役割を果たすアイテムもあるので、あわせて活用しましょう。
壁面看板
お店の壁面に取り付ける、よく見かけるタイプの看板です。プラスチック製で中にライトが入っているもの(内照式)と、外に取りつけたライトで照らすもの(外照式)があります。
ファサード看板
入口の真上部分(ファサード)に取り付ける看板で、お店の顔としての役割が大きいです。看板と聞くと多くの人が真っ先にイメージするのは、ファサード看板かもしれません。
ウィンドウ看板
窓に貼り付けるポスタータイプの看板です。窓という空きスペースを活かしてお客さまにアピールする方法で、カッティングシートを切り抜いた文字を貼る場合と、プリントアウトしたポスターで一つの文章を作る場合があります。空中階のお店におすすめです。
袖看板
建物の壁面に取り付け、道路側へと文字面を突出させる看板です。主に通路を歩く人や、車の運転手などにお店を知ってもらうために取り付けられます。
スタンド看板
多くは移動可能な自立式の看板のことを言います。店舗前の路上に置かれている場合はお店のメニューや価格などを紹介するために使われます。
懸垂幕
布地で作られた「旗」のような看板で、主にポールに取り付けてフェアーや季節商品などの告知に使用されます。
ポール看板
1、2本の支柱の上に看板を掲げるタイプのものです。構造の違いから「串刺し式看板」、「盤上式看板」、「二柱式看板」に分けられます。主に道路や駐車場沿いに設置し、歩行者やドライバーへ店舗の存在を知らしめるために使われます。
テント
軒先に、日よけや雨よけとして取り付ける屋根です。路面店であればほとんどのお店が設置するもので、平面部分は看板として活用できます。
のれん
日よけや目隠しのために入口にかける布で、ロゴや店名を入れることが多いです。のぼりと同じように、得意メニューを記載するお店もあります。
のぼり
お店の前に立てる縦長の旗をのぼりといいます。駐車場や路上に設置してお店をアピールしたり、得意とするメニューや季節商品などを宣伝します。
自立看板
お店から離れた場所で宣伝することや駐車場への誘導が目的です。歩行者とドライバーの両方から認識されやすく、主にドライバーの入店を誘導しやすいです。
上記以外にも、ガラス面シート(ドアやガラス窓のガラスのロゴや告知をシールで貼る)や屋上広告塔など、看板にはいろいろなタイプがありますが、認知拡大や集客効果をアップさせるために、設置できるものはすべて設置するといいでしょう。
費用はいくらくらいかかるのか
看板の種類を把握したところで、次に看板費用の内訳についてご紹介します。看板工事にかかる費用の内訳は、以下の3つに分けることが出来ます。
看板を自作ではなく、専門業者に頼んだ場合、費用はどの程度かかるのでしょうか。文字のデザインを独特なものにしたり、イラストを入れたりすると、価格が高くなるなど、その記載情報によっても上下しますが、おおむね相場は以下のようなものです。
- 壁面看板:3万~5万円
- ファサード看板:15万~20万円
- ウィンドウ看板:10万~15万円
- 袖看板:10万~15万円
- スタンド看板:5万~10万円
- 懸垂幕:1万~3万円
- ポール看板:20万
- テント:15万~20万円
- のれん:5万円~(大きさによる)
- のぼり:1本5,000~1万円(既製品は2,000円程度)
- 自立看板:2万円
あくまでも相場ですので、依頼する業者に見積もりを出してもらうことが大切です。
看板を作る時のポイント
看板を作るときの要点は以下の通りです。
店舗のコンセプトやおすすめ料理、特徴を示す
看板は自店舗の特徴やおすすめ料理を明示するのに適した媒体です。特に個人店においては、店名だけが書かれている看板よりも、おすすめ料理や特徴を載せた方がお客さんも足を運びやすくなります。そうした方がお店の業態が顧客へ伝わりやすくなるのです。
誰が見ても分かる表記にする
看板は販促ツールです。ひと目でそれが飲食店だと分かるようなものや、読みやすい表記にするよう心掛けましょう。ひと目見るだけで、お店の業種が分かる看板にしましょう。
より印象的なものを採用する
看板に印象的なキャッチコピーや料理の写真などを載せると、さらなる効果が見込めます。
情報が絞られている
看板それぞれに情報を盛り込みすぎると、本当にアピールしたい情報が伝わりません。伝える情報は絞り、すべての看板に共通して載せることで訴求力がアップします。また、メニューには産地のこだわり、食感や味などの要素を詰め込みすぎないことも大切です。お客さまが途中で読むのをやめてしまわないよう、文章の長さには注意してください。
看板は明るく、入りやすく
夕方から夜にかけて看板が暗いと、「このお店、やっているのかな?」と思われて、お客さまを逃すおそれがあります。看板が暗いと入りにくいだけでなく、もの寂しい印象を醸し出してしまいます。薄暗くなる夕方以降は、看板や入口付近に照明をつけ、明るく照らしましょう。ビルの地下などにあるお店は、看板や入口が暗くなりすぎないよう、昼間から気を配る必要があります。
看板設置に関する法律・許可について
忘れてはいけない重要なポイントがあります。看板を設置するさいには、大きさや設置位置、色合いなど、国や地方自治体の決まりを守らなければなりません。看板をつくるさいには、次のポイントに気をつけましょう。
看板の色や大きさは法律で決まっている
看板の色や大きさは、法律で厳しく規定されています。この規定を「屋外広告物条例」といいます。屋外広告物条例とは、街の景観を壊さないように、華美すぎたり大きすぎたりする看板を規制するものです。規定の大きさや位置は各地方自治体によって異なります。
看板設置には許可が必要
看板はどこにでも自由に設置していいわけではありません。看板の種類によっては、以下の許可が必要になります。
- 工作物確認申請
- 道路占用許可申請
- 屋外広告物許可申請
工作物確認申請と道路占用許可申請は、屋外広告物の許可を申請する前に必ず各地方自治体の窓口で確認するようにしましょう。
まとめ
飲食店の看板設置場所において重要なのは、「店舗からの距離」と「通行量」です。店舗の近くで交通量が多い場所はどこなのか、実際に現場を見て探しましょう。良い場所が見つかったら、どんな人たちが歩いているかだけでなく、通行者が歩く方向や、目を向けやすい方向なども注意深く観察してください。通行者の気持ちになって、自分で歩いてみるのもとても良いです。リサーチ結果を踏まえて、どの場所のどの方向にどの角度でどのぐらいの大きさの看板を設置するかを検討してみましょう。